【SMAP騒動】大山鳴動して1人事務所を去る「育ての親」の最後の頼み

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〈定めなき浮世にて候へば、一日先は知らざる事に候〉。NHK大河『真田丸』で注目の真田幸村。これは「大坂夏の陣」の直前、彼が義兄に宛てた書状の一節だ。不安定な世情ゆえ、明日のことすら分からない。幸村は徳川の大軍勢との勝ち目のない戦に身を投じ壮絶に散った。翻って現下、日本中が注視したバトル「ジャニーズ帝国vs.SMAP城の女城主」は、かの戦い以上に兵力の差が歴然としていた。敗れ去らん女性マネージャーの行く末や如何。

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報道陣が駆け付けたジャニーズ事務所

 木村拓哉以外の4人の動向とSMAPの今後の存否にばかり関心が集まっていた今回の解散騒動。結成当初は鳴かず飛ばずだったグループをスターダムに押し上げ、業界でプロデュース能力を高く評価されている「育ての親」、飯島三智・マネジメント室長の今後を心配する声は聞こえてこない。

週刊新潮」(1月14日号)でお伝えした通り、事務所と飯島室長が弁護士を立て冷戦を開始したのは昨年9月のことだった。

「メリーさんの指揮、承諾を受けてのビジネスはできません」

 SMAPの仕事のブッキングについて、事前に決裁を仰ぐよう求める事務所に対し、飯島室長側はこう言い放って、拒絶したという。

「明確な命令違反です。事務所は、“SMAPを引き連れ、独立する意思を鮮明にした背信行為”と受け止めた」(事務所関係者)

 飯島室長の関係者が語る。

「彼女を気の毒に思った中居正広ら4人が、義侠心から行動を共にする決意を固めた。しかしキムタクだけが“筋が違う”と首を縦に振らず、独立話が潰えたわけです。以来、飯島さんは4人にも残留するよう説得を重ねてきた」

 非上場企業のオーナー経営者と使用人ががっぷり四つに組めるはずもない。その後、紆余曲折を経て、SMAPが活動継続表明に至った舞台裏は、先の記事で述べた通りだ。

■振付師を失い…

 まさに大山鳴動。鼠一匹となったのが、堀を埋められ、裸城状態で放逐される飯島室長である。南沙織や山口百恵のレコード制作に携わった音楽プロデューサーの酒井政利氏が慨嘆する。

「実は飯島さんは、私の知人のお嬢さんでした。40年近く前、女子大を出た彼女を、メリーさんに紹介し、ジャニーズ事務所に入れてあげたのは私だったんです。溌剌とした才媛で、すぐにメリーさんに気に入られたのですけどね……」

 今後、彼女はどういう命運を辿るのか。彼女と親しいテレビ局幹部が明かす。

「メリーさんは飯島さんを懲戒解雇にして、退職金すら払わないつもりだった。しかしあまりに理不尽でしょう。最後に飯島さん側は、せめて退職扱いにしてほしいと要望しました。結局、事務所としても、世間体が悪いので、本人からの退職届を受理することにした」

 近く飯島室長から退職届が提出され、月内の退社が決まるという。

「孤高の戦いとなった彼女は、憔悴しきっています。この業界から完全に身を退く決意を固めました。惜しむ声も出ていますが、実際には救いの手を差し伸べる人は現れない。撤退を余儀なくされたと言った方が正しいかもしれません」(同)

 今後は全く違う分野の仕事を始めるべく、準備に入ったという。ともあれ、全てを飯島室長に委ね、依存してきたSMAPは貴重な振付師を失った。果してこれまで通りのパフォーマンスを維持できるのか否か。

「特集 総力取材! 急転直下で『SMAP』元の鞘の裏脚本 独立4人組が赦された真夜中の平身低頭」より

週刊新潮 2016年1月28日号掲載

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