SMAP 練りに練られた謝罪コメントはこうしてつくられた “木村のおかげで”の意味

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 昨秋より「SMAP」が“木村拓哉とそれ以外”の分裂状態にあったことは周知の通り。1月18日に放送された『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)冒頭の「生謝罪」により、騒動は一旦の収束を見せている。

 藤の蔓のようにもつれ合っていた事態が動いたのは、17日午後11時のことである。あたかもトリックのように、「もしも」が幾重にも幸いしない限り、解散は不可避と思われていたところ、

「キムタク以外の4人が集まって、ジャニーさんとメリーさんに頭を下げました。めいめいが“自分たちの判断は間違いだった。グループを継続させてください”と懇願したのです」

 と話すのはさる芸能関係者。

「ジャニーさんはこれを諒としたけれど、メリーさんは条件を2つつけたと言います。それは『彼らがキムタクに謝ること』、そうしたうえで、『公に謝罪コメントを出すこと』でした」

 日付は変わり、18日となっている。とはいえ、この甘ったれた哀訴に突きつけられた“但し書き”を踏襲すべく、夜を徹して作業が進むのであった。

ジャニーズ事務所

■放送作家を呼び出し

 フジテレビ関係者のひとりが、

「『スマスマ』の次回収録は20・21日に予定されていました。要するにそれが、“5人が揃う最短の日取り”ということ。そしてその際に彼らが騒動について触れ、これを週明けに放送するというシナリオがないわけではなかった。もっとも、4人が事務所の2トップに謝罪したことで、混乱の早期収拾へ一気に舵が切られたのです」

 こう後を受け、ポツポツと打ち明ける。

「具体的には、18日の『スマスマ』で5人が詫びるというもの。そう決まると、担当の放送作家を急遽呼び出し、番組のプロデューサーと一緒に文言を練っていった。もちろん、『独立4人組』ひとりずつに面談して、ああでもないこうでもないとやったんですよ」

 真夜中の平身低頭が未明の個別打ち合わせ、ひいては前述の生謝罪へとつながっていったのである。それでも、

「事務所側が目を通した結果、草なぎのコメントに物言いがついたのです。“木村のお蔭で”という文言を加えるように指示がなされ、実際そのようになりました」(同)

 結果、放送されたコメントは

〈みなさんの言葉で気付いたこともたくさんありました。本当に感謝しています。今回、ジャニーさんに謝る機会を木村君が作ってくれて、今僕らはここに立てています。5人でここに集まれたことを安心しています〉

 だった。

■論功行賞

 ここで、「週刊新潮」(1月14日発売号)が報じたやりとりを繰り返すと、

〈木村は、「成功したから独立というのは、スジが通らない。自分はジャニーさんやメリーさんを決して裏切りません」と、事務所残留の意思を告げた。それを伝え聞いたメリーさんは、「木村だけは、私が絶対守る」と感激したのだった〉

 謝罪の文言における、木村の骨折りへの言及は、彼が忠誠を誓ったことへのいわば論功行賞なのだ。

 夢を見るだけの4人と現実を見据えていた1人。彼らの融和なり再結束が図られると見る向きがある。とは言うものの、詩人の吉野弘さんは「SCANDAL」で、こう綴っている。

 スキャンダルは/キャンドルだと私は思う。/人間は/このキャンドルの灯(ひ)で、しばし/闇のおちこちを見せてもらうのだと私は思う。

 実は、4人の前には暗雲がなおも垂れ込め、闇の全貌も判然としない。それというのも、大手芸能プロ社長がとりなした機会を生かせず、畢竟(ひっきょう)、その顔をつぶすような不義理を働いていたからだ。

「特集 総力取材! 急転直下で「SMAP」元の鞘の裏脚本 独立4人組が赦された真夜中の平身低頭」より

週刊新潮 2016年1月28日号掲載

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