「芸人がSMAPを目指すな」「50歳までには引退」 松本人志がインタビューで語っていた本音

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松本と中居氏

 4月上旬、デイリー新潮が伝えた中居正広氏の近況は他の媒体もこぞって紹介することとなった。多くの目を引いたのは、その髪の色。キャップの下から見えたロングヘアーはかなりの白髪交じりだったこと。52歳という年齢からすれば不自然ではないものの、長年、金髪・茶髪の「中居君」というイメージが強かっただけに、ファンならずとも時の流れを感じたに違いない。

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 その中居氏との親密な関係で知られる、ダウンタウンの松本人志も表舞台から姿を消して久しい。すでに本人が起こした裁判は訴えの取り下げで決着しているが、フジテレビの第三者委員会の報告書に登場するタレントは松本ではないか、といった推測もネット上では多く見られる。そのため地上波への復帰は困難で、本人が始めるというネットコンテンツ「ダウンタウンチャンネル(仮)」での活動が今後は主流になるのではないかとの見方が強い。

 テレビとは別の場での活動というと、かつてならば「都落ち」という印象を持たれただろうが、現在はそんなことはない。昔からの松本ファンならば、彼のそうした指向には違和感を抱かないのではないだろうか。いつの間にか、テレビ界での地位を固め、数多くのレギュラー番組、ヒット企画を持つようになったダウンタウンだが、冠番組を持ってからも長い間、視聴率や大衆的な人気という面では苦戦をしていた過去がある。

 ここで紹介するのは、写真週刊誌「FOCUS」に掲載されたインタビュー(1996年11月20日号)。当時彼は33歳だった。「直撃!」というタイプの記事ではなく、楽屋で行われた正式な取材だ。この頃、しきりに指摘されていた「ダウンタウンは飽きられてきた。視聴率が下がった」といった批判や引退のイメージについてなど、真剣にかつ淡々と答えている。偶然だが、当時はまだ親交がほとんどなかったと思われる「中居正広」の名前も飛び出している点も含め、現在の目で見ると一層興味深いコメントが多々あるので、引用しながら見ていこう。

視聴率なんか簡単に稼げる

 以下、その発言を拾ってみよう。まずは「視聴率が稼げない」という類いの酷評記事が増えたことについてはこう語っている。

「“視聴率が20%いったからよかった”とかいうようなことは、15年以上やってきて一切言ったことないんですよ。むしろ僕の持論では、笑いは追求していくと芸術や、ということになるんです。でも、芸術っていうのは、全ての人に支持されるもんじゃない、むしろ皆に理解されるようなものは芸術ではない、と僕は思ってますから、数字がついてこなくても、しょうがないですね、これは。視聴率というのは、大人から子供まで皆が楽しめるものを作らなくては上がらないんですが、うちは、そういう層を逆に切って切って、ここまで来ましたからね」

 そしてこう続ける。

「こういうことを言うと、またその部分だけ引用されて、批判記事に使われるのかもしれんけど(視聴率は)取ろうと思ったら取れるんです。ノウハウは全部分かっているから。例えば、浜田がやっているドラマがあります。少し前なら、木村拓哉と共演してました。そしたら、今度は、番組で僕が木村拓哉になって、パロディーやればいいんですよ。そういうのに女子供はホイホイついてくるのも分かっているんですよ。そんなん、全部分かってるけど、そんな(安易な)ことしたってしゃあないから」

 お茶の間にもすっかりなじんだ、中年以降のダウンタウンしか知らない層にはピンとこないかもしれないが、当時、松本はこうした「尖った」物言いを繰り返していた。「お笑いはすごい」「お笑いという仕事が一番大変」といったフレーズが著書には出てくる。芸能界でお笑いよりも上にいるとされている(と彼が感じている)俳優やアイドルよりも自分たちの方がよほど高度なことをやっている、というのが彼の主張だったのだ。その文脈でここで「中居正広」氏の名前も飛び出す。

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