酷評ばかり「大阪・関西万博」で唯一のおすすめスポットとは? 55年前の「大阪万博」も初日に行った入場客が振り返る
いよいよ開幕した「大阪・関西万博」。“並ばない万博”のはずが行列ばかりとも報じられているが、実際、55年前の「大阪万博」と比べるとどうなのだろう。
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【実際の写真】酷評ばかりの「大阪万博」で“唯一のおすすめスポット”は?
大阪生まれのA氏(60代)は、1970年3月15日に幕を開けた「大阪万博」にも初日に駆けつけたという。
「大阪万博には〆て10回行きました。最終日(9月13日)が迫り最多入場者数(83万5832人)を記録した9月5日にも行っているんです。アメリカ館の“月の石”には5時間も並びましたよ。それでも入退場はスムーズでしたし、交通の便も良かった。今も“太陽の塔”が残る会場(現・万博記念公園=吹田市)の中央口に万国博中央口駅(北大阪急行電鉄)が作られ、梅田駅や新大阪駅などを結ぶ大阪の大動脈、大阪メトロ御堂筋線と直通していましたから」(A氏)
そして今回の「大阪・関西万博」にも初日に駆けつけた。
「行こうと思い立ったのが10日前でした。そのため17時のチケットしか取れなかったのですが、報道を見るとこれが結果的にはまだマシだったようです」(A氏)
“並ばない万博”のはずが、初日は「入場に2時間、出るのに1時間」と報じたメディアもあった。主催する2025年日本国際博覧会協会は、東側の入場ゲートで午前9時半ごろから5時間ほど電波障害が起き、入場用のQRコードの表示に時間がかかったためと発表している。
「今回は会場(大阪市此花区)まで乗り換えなしで行かれる大阪メトロ中央線を使いました。本町駅(大阪市中央区)から乗りましたが、車内は座れるくらいの混雑ぶり。会場の夢洲駅も時間が時間なだけに拍子抜けするほどスムーズに出られました。東ゲート前も広く空いていました」(A氏)
行列はなくとも…
夕方になると入場ゲートの行列はなくなったようだ。出入り口は東ゲートと西ゲートに分かれており、地下鉄の場合は東ゲートになる。報道では東ゲートの行列が酷いとされていた。
「ところがですよ。広く開いているゲート前を意味もなくぐるぐると迂回させられて、やっと入場門の列にたどり着きました。私の前に並んでいたのは20人ほどで、荷物検査とX線のセキュリティー検査が行われていました。この程度の人数なら、羽田空港や成田空港だったら5分、かかっても10分といったところですが、これに40分以上かかりました。その間、雨よけの屋根もなく、傘を持っていなかったのでずぶ濡れですよ」(A氏)
なぜそんなに時間がかかるのだろう。
「係員の方は一生懸命にやっているのでしょうが、マニュアルが厳しいんでしょうね。1人をさばくにも大わらわのようでした」(A氏)
初日は雨のため早めに帰ろうとした人も多かった。
「退場ゲートは長蛇の列で、全く動いていないように見えました」(A氏)
ともあれ、ようやく入場したA氏、どこに向かったのだろう。
「事前にスマホでマップを開けと案内されていたので、めぼしいパビリオンを探そうとしました。ところが、マップを開いても自分がどこにいるのかも分からないし、楽しそうなパビリオンがどこにあるのかも分からない。降りしきる雨の中、雨宿りをしたいけれど、それも見当たらない。ようやく『大屋根リング』の下を思いついたのですが、風で雨が吹き込んでいました」(A氏)
大屋根リングには、早速、雨漏りも見つかったという。
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