テレビもネットニュースも「大谷翔平依存」が過ぎないか? 安直な“関連ニュース”増産の背景にメディアの苦境

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「大谷のマナーに絶賛の嵐」

 メディアは今、「大谷翔平依存症」のようになってしまっている。テレビもウェブメディアも雑誌もスポーツ新聞も毎日、大谷だらけである。スポーツ新聞はまだいい。しかし、テレビが、大谷が第一打席でヒットを打っただけで【速報】を打つなど、明らかに異常である。大谷依存にもほどがあるというものだ。大谷がヒットを打ったというニュースが、それまでやっていた話題を止めてまで放送すべきことなのか。また、女性週刊誌ですら大谷が表紙になる。ウェブメディアに至ってはとにかく「大谷」とタイトルに入れることができればなんだっていい。

 こうした状況がかれこれこの3年以上続いているわけだが、それはそれだけ大谷が活躍していることの表れで、それ自体は素晴らしいことである。だが、メディアが安直過ぎないか? と思うのである。

 これまで、野球選手の犬の名前がここまで報じられたことがあっただろうか。妻が持っているバッグや着ている服のブランドも逐一報告されてきただろうか。どれも、前代未聞である。さらには、連日のように「大谷のマナーに絶賛の嵐」「大谷の仕草がかわいいと評判」などの記事も出る。まぁ、中継のワンシーンを切り取ってそれにSNSのコメントを付け加えてはい一丁上がり! と、お手軽ではある。しかも、これがアクセスを稼げるのである。

大谷ハラスメント

 Yahoo!ニュースの「野球」カテゴリーでは大谷に関するものがトップ5を独占することはよくあることだ。最近では、ドジャースがトランプ大統領を表敬訪問した時の様子。並んでいる記事はいずれも同じような内容だが、これらがとにかくアクセスを稼ぐ。あまりにも大谷関連の話題が多いため、Yahoo!リアルタイム検索の予測変換では「大谷 もういい」「大谷ハラスメント」などが入る。繰り返すが、大谷は何も悪くない。

 そして、メディアによる大谷利用は、混迷を極めている。最近流行りの新技は「大谷翔平所属のドジャース」という一言をタイトルに入れることである。こんな按配だ。

〈「酷使に懸念が…」大谷翔平所属のドジャース、スネル離脱に激震が走った!? 米メディア「今季こそ…」〉(ベースボールチャンネル 4月7日)

〈「興味深い選手だ」大谷翔平所属のドジャース、トレード放出の選手がブレイクへ!? 米メディア「新チームで…」〉(同)

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