「日本で薬を創るのはリスクでしかない」 相次ぐ「薬価引き下げ」で懸念される「新薬が日本に出回らない未来」
この4月で、薬価がまた引き下げられた。医療保険財政のひっ迫を背景に、毎年多くの品目が引き下げの対象となり、また後発薬(ジェネリック医薬品)の普及促進策は強められるばかり。かような環境下で、新薬の開発が阻害されてはいまいか。それどころか、「日本で新薬が買えない」という事態が、現実味を帯びてきているという――。
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我が国の薬価は、製造者が自由に設定できるものではなく、「公定価格」として厚生労働省が定めることになっている。ゆえにその“引き下げ圧力”は年々高まっていて、これまでは2年に1度の診療報酬改定時にのみ行われていた価格改定は、今や毎年の恒例行事に。...