本拠地で3タテ食らった巨人…エース戸郷が「投球の基本を忘れている」と思うワケ【柴田勲のコラム】

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田中将大はさすが

 田中将大が3日の中日戦で586日ぶりの白星を挙げた。96球、かわす投球を心がけていた。フォークを多く使っていたが、それでも真っすぐが結構あった。しかも外角低めに投げ込んでいた。そのへんはさすがだと思う。

 赤星優志に関して、前回のコラムでポカの多いタイプと記した。案の定だった。第2戦、6回を81球で3失点とまとめたが、佐藤輝明に先制弾、近本光司に2ランを食らった。どちらも甘いボールだった。失投だろう。

 フォスター・グリフィンの代役で開幕第2戦の先発を務めた。大量点をもらったこともあって伸び伸びと手を振っていた。こんな時はいいのだが、少し重圧がかかってくるとポカが顔を出す。

 いいものを持っている。四球から崩れるタイプだが、いまのところは2試合11回を投げて0だ。今後もローテーションの一角を担うことになる。昨年1勝7敗で終わったのは肝心の場面で四球やポカがあったからだ。頑張ってほしい。

 6日に先発した石川達也は4回に二つの四球と大山悠輔の内野安打で2死満塁とし、前川右京に押し出しの四球を与えた。これが決勝点となった。5回を1失点、これは責められない。もっと打線が援護してやらなきゃ……打たれたのは大山の1本だけだろう。

藤川監督は投手陣全体の運営に“自信アリ”

 阪神の投手陣はやはり充実している。先発だけではなく中継ぎ陣も層が厚い。外角低めへの意識が徹底しており制球力もいい。

 阪神の藤川球児新監督は、第3戦目のピンチの場面で育成出身の工藤泰成投手を起用したが、これは信頼してのことだ。投手陣全体の運営には自信を持って臨んでいるのだろう。

 打者たちも甘い球を積極的に狙っていた。佐藤は3番に入って伸び伸びというか、自由に打っている。4、5番と違って3番はプレッシャーがあまりない。開幕前の順位予想で「佐藤は波があるが、コンスタントに活躍できれば(打線の)破壊力はもっと増す」と記したが、左翼方向に打った2本の本塁打といい、変化を感じた。

 巨人の打者たちはブリブリ振り回していた印象が強い。開幕直後はそれなりに打ったが、打ったからいいではなく、どの高さやどのコースで仕留めたのかを頭に入れて打席に立つ必要がある。

 それができていたのは甲斐拓也くらいではなかったか。投手陣がダメな時は野手陣が頑張る、反対に野手陣が打てない時は投手陣が踏ん張る。お互いに補い合ってこそ強いチームになる。

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