このまま眠らせるのはもったいない!他球団に移籍すれば活躍しそうな巨人やソフトバンクの“余剰戦力”の実名を公開
いよいよ開幕した今年のプロ野球。新外国人やルーキーなどの新戦力が早速力を発揮している球団も多いが、その一方でポテンシャルは高いものの、チーム事情から、なかなか一軍での出番がない選手もいる。今回は、他球団であれば花開く可能性を秘めた“余剰戦力”について探ってみたい(成績は3月31日時点)。【西尾典文/野球ライター】
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「我慢して使ってもらえる環境ならば、力を発揮する可能性はある」
昔から二軍も“宝の山”と言われることが多い巨人。今年もフリー・エージェント(FA)で甲斐拓也、新外国人ではキャベッジ、ルーキーでは浦田俊輔が開幕一軍入りを果たしている一方で、二軍スタートとなった力のある選手は少なくない。
ベテラン捕手の小林誠司や大砲候補の秋広優人らが取り上げられることが多いが、もう一人もったいないと思わせる存在が増田陸だ。
明秀日立時代から強打のショートとして評判で、2018年のドラフト2位で入団。一時は育成契約となったものの、4年目の2022年には一軍で69試合に出場して35安打、5本塁打と結果を残している。
しかし、翌年以降は怪我で低迷。昨年もわずか4試合の出場で0安打に終わった。今年は二軍で開幕から好調をキープしており、10試合で13安打、7打点、打率.394という成績を残しているにもかかわらず、内野手は浦田や中山礼都の加入もあって、増田の一軍昇格は簡単ではない。パンチ力のある右打者で、内野ならどこでも守った経験がある増田のような選手は貴重であるだけに、他球団からは「もったいない」という声が出ている。
そんな増田が一軍に定着できない理由について、他球団の編成担当はこう話す。
「守備と走塁が平凡なので、一軍の首脳陣からすると、ベンチに置いておく選手としては物足りないのではないでしょうか。特に、巨人のレギュラーは実績がある選手が多く、途中出場となれば、足や守備のスペシャリストが求められる。そういう点で、増田は、巨人のチーム事情とマッチしていないのかもしれませんね。ただ、調子が良い時の打撃は目を見張るものがありますよ。ある程度、我慢して使ってもらえる環境ならば、力を発揮する可能性はありますね」
現在、巨人の一軍の内野手を見ても増田大輝、湯浅大、前出の浦田をはじめ、守備と走塁に特長がある選手が多い。一軍では坂本勇人が開幕から3試合ノーヒットと苦しんでいるだけに、同じ右打者である増田にもチャンスは回ってくる可能性もありそうだが、そこで結果を出せるか。
外野が手薄な球団に移籍した方が
昨年26年ぶりの日本一を達成したDeNA。昨シーズン途中で筒香嘉智が復帰し、オフにはトレードで三森大貴が加入するなど、戦力は厚みを増している。中でも競争が激しいのが、外野手だ。今年は桑原将志が怪我で出遅れているが、それでもなかなか一軍で出番がない選手は多い。
そんな中で特に“余剰戦力”としては、前出の増田と同学年の勝又温史を挙げたい。投手で入団したが、フォームを崩して3年目のオフに野手に転向し、育成選手に降格した。
それでも、翌2022年にはいきなり二軍で3割近い打率を残し、2023年には支配下復帰を果たした。昨年は右手有鈎骨の骨折もあって、成績を落とすも、長打力と強肩は大きな魅力である。
ただ、同じタイプである梶原昂希が台頭し、度会隆輝ら有望な若手も控えていることを考えると、一軍昇格を果たすのは容易ではない。本人にとっては、外野が手薄な球団に移籍した方が、チャンスが多いことは間違いない。
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