佐々木朗希の「乱調」に公式球ではない、意外な“盲点” “渡米の経緯”との関連指摘も…マイナー落ちが妥当なワケ

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野球人生初の挫折

 米大リーグ、ドジャースの佐々木朗希投手(23)はデビュー戦から2試合で計9四球と制球難を露呈し、いずれも序盤にして早々とマウンドから姿を消した。3月19日の日本でのカブスとの開幕2戦目(東京ドーム)は3回を1失点、米国初登板となった3月29日のタイガース戦(ドジャースタジアム)は3失点で二回も持たなかった。NPB時代には完全試合を達成し、鳴り物入りで海を渡った「令和の怪物」は出だしで、つまずく形となった。

 次回登板は4月5日(日本時間同6日)の敵地フィラデルフィアでのフィリーズ戦。同試合でもこれまでと同様の内容なら、マイナー落ちが囁かれているほど深刻な状態だ。

 本拠地のファンにお披露目となった一戦は惨憺たる内容だった。この日も制球が定まらず、デビュー戦に続き、満塁から押し出し四球を与えた。フォーシームの平均球速は154.7キロと前の試合の157.7キロから3キロも落ちた。マウンド上で大きな挫折を知らない右腕はショックを隠し切れず、降板後には涙目になっていた。

 大リーグ解説も務めるNPB球団元監督が率直に感想を語る。

「彼がストライクを取ることに、ここまで苦しむとは……。ロッテの頃を思うと、信じられないことです。成功するか否かではなく、どういった成功を収めるかというレベルの投手だとみていたので……。日本の好調時にはバッターを見下ろしたように投げていましたが、今は見る影もありません。マウンド上での仕草一つ一つに自信のなさが出ていて、それだけ本来の自分の状態からは遠いということでしょう。野球人生では大きな挫折を知らないでしょうから、ちょっと心配ですね」

 NPBで1年間ローテーションを守り通したことがなく、“持久力”や“耐久力”は発展途上中とはいえ、1試合での“瞬発力”は折り紙付きだ。疲労が蓄積されるシーズン終盤ならともかく、万全を期して渡米し、オープン戦2試合を無失点で乗り切るなど照準を定めていたはずの開幕で本来の姿を見失っていることは大きな誤算だろう。

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