開幕早々に主軸が離脱「広島カープ」の非常事態…負傷者が相次ぐ背景に「伝統のキャンプ猛練習」

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“扇の要”は大丈夫か?

「坂倉の離脱で高卒3年目の捕手、清水叶人(20)にチャンスが回ってきました。今年は一軍でのキャンプスタートでしたが、3月10日の西武とのオープン戦で清水、4年目の高木翔斗(21)の両捕手を使ったものの、計10失点の大敗でした」(前出・同)

 その試合後、新井監督は失敗も勉強のうちと言わんばかりに、

「いや、この次は。オープン戦だから、気にしてないし。点を取られずに(シーズンに)入るより、少々打たれて取られて入ったほうが逆に本番、気合も入るんじゃないかなと。問題ないです」

 と、笑顔で返していた。質問の主語は「投手陣の」だったが、次の試合以降、ベテランの會澤翼(36)がマスクを被り、清水は開幕一軍メンバーにも残れなかった。

 選手について語るとき、失敗しても前向きに語るのが新井監督だ。坂倉の負傷後、大瀬良大地(33)など多くの投手陣が若い清水をカバーしようとし、配球面について助言を送るなどしていた。こうした団結力が広島の強さであり、野手陣では高卒4年目の二俣翔一(22)が開幕スタメンの座を掴むなど若い選手も頭角を現してきた。しかし、その二俣も4月2日の延長10回、バントを試みたが、打球が顔面を直撃。負傷退場となった。

「2年目の常廣羽也斗(23)ドラフト2位・佐藤柳之介(22)、3位・岡本駿(22)といった新しい投手も出てきました。今年の広島は投手力がストロングポイントになるかもしれません」

 そう警戒する声もセ・リーグ対戦チームから出ていたが、その投手陣を活かすのは捕手であり、勝ちをつけるのが打撃陣だ。負傷者の続出は猛練習のツケか。ベストメンバーを組めない広島が大きく出遅れることにならなければいいのだが、続くヤクルト戦にも連敗し、1勝4敗(3日現在)と、苦しいスタートである。

デイリー新潮編集部

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