開幕早々に主軸が離脱「広島カープ」の非常事態…負傷者が相次ぐ背景に「伝統のキャンプ猛練習」

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ベテランのケガ

 4年ぶりの本拠地開催だったが、阪神を相手に今季も連敗スタートとなった今年の新井カープ。3戦目の3月30日、試合前のメンバー表交換でのことだった。阪神・藤川球児監督(44)は新井貴浩監督(48)を待って、笑顔で頭を下げた。それに対し、新井監督は頷くように小さく頭を下げ、メンバー表を受け取ると足早にベンチへ向かう。その表情は分からなかったが、本拠地での3連敗は絶対に避けたかったはずだ。

「初回の守備で阪神・近本光司(31)の放ったライナー性の打球を、レフトのファビアン(27)がダイビングキャッチし、3回も一塁のモンテロ(27)が好捕球しています。守備での気迫溢れるプレーからも『勝ちたい』という気持ちが伝わって来ました」(地元メディア関係者)

 結果、2対0で完封勝ち。しかし、試合を決定付ける2点目が入ったときだった。三走の秋山翔吾(36)が犠牲フライで本塁に帰ってきたのだが、その走り方がおかしかった。あまりにも遅かったのだ。レフトを守る前川右京(21)が捕球した位置が“完全な安全圏”だったとはいえ、スタンドがちょっとざわついた。
 
 観客の疑問は攻守交代の際に明らかになる。秋山の交代がアナウンスされたのだ。

「試合後の新井監督によると、二塁から三塁に向かう際、右足首を痛めたそうです。タッチアップの打球が飛ぶ前から秋山は痛みを抱えていたわけです。さらに7回の攻撃では4番のモンテロが3球目をファウルした際、左脇腹に痛みを覚え、負傷交代しました」(前出・同)

 広島はこの一戦で、クリーンアップの4番と5番を失ってしまった。翌3月31日、病院検査から戻った秋山が「捻挫のちょっと強いやつという診断でした」と記者団に話した。4月1日からの東京ヤクルトとの遠征3連戦には帯同したが、モンテロと共に一軍登録を抹消された。ヤクルトも負傷者続出で塩見泰隆(31)、山田哲人(32)、村上宗隆(25)を欠く厳しい幕開けとなったが、苦戦は必至だ。

 しかし、こんな指摘も聞かれた。

「広島の負傷者続出は防ぐこともできたのではないか」

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