「早くに地区優勝を決めてしまうと…」 ドジャースを待ち受ける落とし穴と、大谷翔平を追い詰める可能性のある日本人選手とは?

スポーツ 野球

  • ブックマーク

【前後編の後編/前編からの続き】

 メジャーリーグ(MLB)の米国開幕戦が、3月27日(現地時間)にスタートした。今季はロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平(30)はじめ、日本のファンにもなじみの選手が多数参戦。大谷が出場するゲームを10倍楽しむための完全ガイドをお届けしよう。

 ***

 前編【大谷翔平の盗塁数は減少する? ホームランは50本超えの可能性も 大谷の今季の展望を専門家が解説】では、大谷翔平の今季の展望について紹介した。

 大谷のみならず、山本由伸(26)と佐々木朗希(23)がチームにどれだけ貢献できるか。そこにドジャースの命運が懸かっているが、チームとしての目標はワールドシリーズ(WS)の連覇である。MLBでは1998~2000年にヤンキースがWS3連覇して以降、連覇できた球団はナシ。開幕戦からの162試合で地区優勝かリーグ上位6位までに食い込み、10月以降のプレーオフを勝ち抜いて、ようやく出場のかなうWS。昨季の覇者ドジャースとて、その道のりは決して容易ではないのだ。

「ドジャースの地区優勝はほぼ固いといえますが、短期決戦のポストシーズンとなると読めません」

 とは、メジャーリーグ研究家の友成那智氏だ。

「ポストシーズンでは、勢いとモチベーションで勝ち上がってくるチームが強い。例えば、23年のドジャースは、2位に16ゲーム差をつけ100勝で地区優勝しましたが、ポストシーズンは、主力のムーキー・ベッツが絶不調で同地区2位のダイヤモンドバックスに3連敗で敗退しました。またこの年は、地区優勝をしていないテキサス・レンジャースが、ワイルドカードから勝ち上がってWS優勝しました。こういうことがMLBではよくあるのです」(同)

選手層が厚いゆえの落とし穴

 今季は大型補強で投打共に選手層が厚いと評判のドジャースだが、そこに大きな落とし穴がある。

「22年のドジャースは、111勝して2位のパドレスに20ゲーム差以上つけて地区優勝したにもかかわらず、ポストシーズンでそのパドレスにあっさり負けた。早くに地区優勝を決めてしまうと、ポストシーズンまで調子を保てず実力を発揮できないことがあります。昨シーズンのドジャースは、98勝で2位のパドレスと接戦でしたから、緊張感を保てたのが功を奏したのかもしれません」(友成氏)

 今季もドジャースは、同じ地区のパドレスと多くのカードが組まれている。パドレスにはダルビッシュ有(38)と松井裕樹(29)、二人の日本人投手が大谷を打ち取らんと構えている。

次ページ:ドジャースのライバルとなる二球団

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。