「2億円利益供与」報道の「古賀誠元幹事長」長男 ロールスロイスに乗り、岸田文雄氏を青山料理屋に呼びつけ【写真あり】
4月3日、読売新聞社会面にスクープ記事が掲載された。羽田空港と自民党の元幹事長・古賀誠氏(2012年引退)一家による“癒着”疑惑を指摘するものである。
記事によれば、羽田空港ターミナルビルを運営する「日本空港ビルデング」社の子会社が、都内のコンサルティング会社に対し、10年間で2億円近い利益供与を行い、国税当局から所得隠しを指摘されていたという。
この都内のコンサル会社の社長を務めるのが、古賀氏の長男(52)。彼は実は永田町では有名な存在。これまでも父の威光をバックに、自民党、とりわけ旧宏池会に大きな影響力を保ってきたとされる。「週刊新潮」では、彼の銀座での豪遊やビジネス上でのトラブル、そして2014年には、当時の宏池会の会長にして後に首相の座に上り詰める岸田文雄氏と、青山の料理屋で豪遊する姿を写真に収めている。過去の記事を振り返り、長男の人物像を探ってみよう。
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【写真】ロールスロイスで店を後にする古賀氏長男 岸田氏と青山の料理屋で豪遊
まずは、読売が報じた利益供与のスキームをごくごくかいつまんで説明する。同紙によれば、当該の子会社は「ビッグウイング」社。同社は空港ビル内でコイン式マッサージチェア(MC)のサービス事業を展開。MCの設置と管理業務を行う業者と契約を結んでいる。同ビルでは2005年頃から埼玉県内の健康機器販売会社がこの事業を担当していた。しかし、事業参入に当たっては当初、空港ビル側に難色を示されたため、同社は、当時現職で運輸大臣を経験するなど国交族の大物であった古賀氏に相談をしたという。それを受け、古賀氏と同氏の長男が空港ビル側に依頼し、事業を行うに至った。実際の契約はビッグウイング社からコンサル会社が事業を受注し、その下請けとして健康機器販売会社が受注するスキームになった。2016年までの5年間でも業務委託費は約1億円に上る。そのうち長男の会社は3~4割を得ることになったという。
しかし、2016年頃、国税当局は、ビッグウイング社に対し、コンサル会社に業務の実態はなく、支払われた約1億円は同社への寄付に当たるとして「所得隠し」を指摘。重加算税を含め、ビッグウイング社に約3000万円の法人税を追徴課税したという。が、その後も、スキームこそ変更したものの、健康機器販売会社が事業から撤退する2020年まで、長男の会社に巨額の金銭が流れる実態は続いたというのだ。
記事が事実であれば、政治家一家による典型的な口利きビジネスに見える。
タワマン最上階
古賀氏は、自民党が政権を奪還する2012年12月の解散総選挙に出馬せず、引退した。地元の自民党福岡県連の関係者によれば、古賀氏は長男に地盤を継がせたかったが、息子本人が断ったという。
長男は大学卒業後、父親の私設秘書に。1996年に父親が運輸相に就任してからは、東京・銀座などのクラブに、それまでにも増して頻繁に顔を出すようになる。
「愛車のジャガーで週に2~3回は来店していました。ホステスからは“古賀ッチ”と呼ばれていました」(クラブの関係者)
「飲み代は100万円単位で使っていましたが、支払いは自分でしなかったことが多い。請求書は建設会社や不動産会社に送ることも」(別のクラブ関係者)
長男は2001年、コンサルタント会社を設立した。さる関係者によると、
「その他にも複数の会社の名刺を持っていて、その住所が都心のタワマンの最上階とか、そんな感じでした。優に100万円とかする家賃をどうやって払っているのかは不思議でしたね」
「古賀誠 長男」なる珍妙な名刺を作り、配っていた。2004年には、「公共事業の下請けに入れる」と言われてコンサル料を支払ったのに実現しなかったとする複数の業者が、「週刊新潮」に被害を訴えている。
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