「アプリを使いこなす」ことが“スクールカースト”を左右する…1日「5時間」をネトゲと動画視聴に費やす「子供たちのネット汚染」の実状

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 2歳の子供は平日1日あたり、インターネットを平均で1時間47分ほど使う──かなりの人が驚くのではないだろうか。こども家庭庁は2月27日に「青少年のインターネット利用環境実態調査」の速報値を発表した。この衝撃的な調査結果について、新聞を筆頭に大手メディアは「小中高生のネット利用は1日5時間を超えた」と報じたものの、記事の扱いは小さかった。

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 ところが新聞社が詳報しなかった調査内容を精読してみると、子供たちのネット汚染が深刻なレベルだと分かる。乳幼児や小学校低学年の子供たちでさえ、ネット依存が急速に進んでいるようなのだ。

 まずは実例からご紹介しよう。2歳でネットを平日に「2時間以上3時間未満」使う割合はどれくらいだとお考えだろうか。

 こども家庭庁が75人を対象に調査したところ、「2~3時間未満」は全体の25・3%。さらに「3~4時間未満」は8・0%、「4~5時間未満」は5・3%、「5時間以上」は2・7%だった。ネットを4時間以上使う2歳は、全体の8・0%を占めることになる。

 小学校に入学した7歳となると、さらに利用時間は増える。226人の調査対象のうち「2~3時間未満」は23・5%と2歳より割合が減ったが、それより長い「3~4時間未満」は13・3%、「4~5時間未満」は5・8%、「5時間以上」は8・0%と全て割合が増えた。ネットを4時間以上使う7歳は、全体の13・8%を占めるわけだ。

 冒頭で2歳のネット利用時間は平均で約1時間47分だとご紹介したが、7歳は約2時間9分。そして小学6年生である12歳にいたっては約4時間25分と大幅に増加する。小学校から帰宅した後の時間を相当つぎ込んでいることが分かる。

10歳の6割が自分のスマホ

 12歳の調査対象は375人。「1時間未満」は4・0%に過ぎない。「2~3時間未満」は2歳児で25・3%、7歳では23・5%だったが、12歳は15・7%と少ない。

 一方、「4~5時間未満」は15・2%、「5~6時間未満」は9・6%、「6~7時間未満」は8・8%、「7時間以上」は15・5%。平日にネットを4時間以上使う12歳は49・1%を占めることが分かる。ほぼ半分に近い割合だ。担当記者が言う。

「低年齢層がどんな機器でネットに接続しているのかも調査されました。『親と共有しているスマートフォン』は72・7%でしたが、『テレビ』も91・7%でした。2歳の子供が2時間ネットを使っているのは、親がテレビで動画サイトにアクセスし、幼児向けのコンテンツを見せているケースも多いのでしょう。この場合は不適切な利用とは言えないかもしれません。しかし子供の年齢が上がるにつれ、『自分専用のスマホ』を持ち、使用目的が『ゲーム』という回答がどんどん増えていきます」

 こども家庭庁は「スマホでネットを利用している」との回答を分析し、「9歳は親のスマホを使う子供が48・5%」であるのに対し、「10歳は65・7%が自分専用のスマホを持っている」ことを明らかにした。

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