「映す価値なし」が生む快感 ダウンタウン浜田“休養”も「格付けチェック」にハマる理由

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SNSでも話題に

 ダウンタウンの浜田雅功が体調不良のため休養に入ることが発表された。事前に収録されていた番組はその後も放送されているため、一般視聴者が彼の不在を感じる機会はまだ少ないかもしれない。

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 休養前に収録されたと思われる番組の1つが、3月22日放送の「芸能人格付けチェックBASIC~春の3時間スペシャル~」(ABC、テレビ朝日系)である。浜田が司会を務めるこの番組は、主に正月特番として放送されていて、高い人気を誇っている。今回も相変わらずの高視聴率を記録して、SNSなどでも話題になっていた。

「芸能人格付けチェック」は、2005年に特番として始まった番組である。もともとは「人気者でいこう!」という番組のワンコーナーから派生したものだ。芸能人や著名人がチームを組み、一流の品や芸術を見極める「格付けチェック」に挑戦する。

 参加者は、ワイン、音楽、ダンス、料理など、さまざまなジャンルで「本物」と「偽物」を見分けなければならない。間違えるたびにその人の「格」が下がり、最終的には「映す価値なし」となって画面から消えてしまう。

 過去には、多くの印象的なエピソードが生まれた。特に、GACKTの連勝記録は番組の名物となっており、その圧倒的な正答率が視聴者の関心を集めている。また、専門的な知識がなさそうな芸能人が意外なジャンルで正解を出したり、貫禄のある大物タレントが信じられないミスをしたりする様子も、視聴者の間で話題になることが多い。

 この番組の人気の理由はいくつかある。まず、一流のものとそうでないものを見分けるというコンセプト自体の面白さだ。ワインや料理、音楽といった多くの人にとって身近なテーマが取り上げられ、視聴者も一緒に考えながら楽しめる。

 たとえば、ワインの格付けや楽器の演奏などは、多くの視聴者も普段接する機会が少ないため、はっきりした正解が分からないことが多い。だからこそ、芸能人が迷っているときに自分も一緒に考えて、「自分ならどちらを選ぶか」と推理しながら楽しむことができる。

 一流のものを見分けられるかどうかというテーマは、視聴者の挑戦したい欲望をかきたてるようなところがある。正解できると自分がセンスのある人間であることが示せるような気がしてくるため、思わず身を乗り出してクイズに参加したくなるのだ。

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