「習近平」の“髪の毛”に異変が! 「黒々とした頭髪で指導力をアピール」のはずが…一体なにがあったのか
年を重ねれば、人は髪が白くなってゆくもの。だから、今年72歳になる中国の習近平国家主席だって白いものが目立って当然である。とはいえ、たった1年余リで白髪が急に増えると、何があったのかと心配になる。
***
【写真を見る】“髪の毛”に異変が! ガラリと変わった「習近平」現在の姿
1年で大きな変化が
2023年7月26日の習氏と2024年12月27日の同氏を国営新華社通信提供の写真で比較すると、ずいぶん髪の色が薄くなっている。SNSで出回っている最近の動画では、さらに白く見える。
ジャーナリストの富坂聰氏(拓殖大学教授)によると、
「中国では髪をファーと発音しますが、これは縁起が良いことや生命力を表すのにも使う“発”と似ています。それもあって、中国では指導者の多くが髪を黒く見せてきました。もちろん、中国に限ったことではありませんが、黒々とした頭髪で生命力、つまり指導力があることをアピールしているのです」
ちなみに、中国ではトップの容姿に周囲が合わせるのも特徴だ。ジャーナリストの矢板明夫氏(元産経新聞台北支局長)によると、
「前主席の胡錦濤氏も真っ黒に染めていましたが、“右腕”と言われていた胡春華(元共産党政治局員)もそれに合わせるように黒髪でした。ところが、胡錦濤氏が引退し、影響力を失うと、間もなくグレーヘアになってしまったのです」
失脚すると髪がいきなり真っ白に
失脚すると髪がいきなり真っ白になりがちなのも中国だ。典型的なのが党の政治局常務委員としてナンバー9の地位にあった周永康だ。汚職で失脚する前(12年ごろ)は黒々としていたが、15年に法廷に姿を現した周の頭髪は真っ白。
「以前は染めていたのでしょうが、あの白髪は権力を剥奪してやったぞという一種の“見せしめ”でもあるのです」(富坂氏)
では、髪が白くなってきた習近平氏には何があったのだろうか。
富坂氏が続ける。
「中国では権力者の容姿や表情は党のアドバイスによって細かく決められます。昨年11月、APECで習主席と石破総理が握手する映像が報じられましたが、習主席はややほほ笑んでいた。あれも、事前に細かく決めていたはずです。中国共産党のトップが決まる次の党大会は27年。当分、習氏は安泰ですから、無理に黒く見せず、落ち着いていて年相応の色がいいというアドバイスがあったのでしょう」
たかが白髪、されど白髪。髪の色から、中国の権力事情が見える。