“元アイドル”と“歌うベテラン” 業界が「静かに注目」する女子アナ2人の名前

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ベテラン層が厚いNHKで…

 もうひとり注目を集める存在が、入社21年目のベテラン、NHKの廣瀬智美アナ(43)だ。私生活では2児の母親でもある彼女について、NHK関係者は「スタートは鹿児島放送局からでしたが、視聴者的にはスポーツ担当のアナウンサーとのイメージが強いのでは」と語る。

 NHKは基本的に女子アナの層が厚く、鈴木奈穂子アナ(43)、桑子真帆アナ(37)を始め、林田理沙アナ(35)、和久田麻由子アナ(36)など、とくに中堅には人気のアナウンサーが多い。それゆえ廣瀬アナは「当初の印象は薄かったかもしれません」(前出ウォッチャー)。そんなイメージを覆すきっかけになったのが、現在、BSで放送している「歌える!青春のベストソング」シリーズ(3月までは「歌える!J-POP 黄金のヒットパレード決定版!」)の司会起用だった。

 同番組は「誰もが歌える」をキーワードにした中高齢者向けの音楽番組で、NHKがBSの視聴者獲得のため力を入れている看板プログラムでもある。廣瀬アナは2021年から平野ノラ(46)、DJ KOO(63)と共に司会を務める。

 廣瀬アナの司会起用のキッカケについて、裏事情に詳しい元NHK担当のベテラン放送記者はこう証言する。

「月1回で放送している『今夜も生でさだまさし』の制作スタッフが『面白い女子アナがいる』と言っていたことが、『歌えるベストソング』の番組関係者に伝わったのだそうです。番組担当者が彼女に会ってみると、個性的で面白い、と興味を抱いたようです。スポーツ番組を担当してきたんですが、『音楽番組もやりたかった』と自己アピールしたといいます」

 どうやら当初は「音楽が好き」と言う1点で司会を担当することになったようだが、視聴者からの反響も良かったそうで、いつの間にか「番組の顔」になっていった。

「人懐っこい性格で、とにかくポジティブ思考で前向きなところがいいのではないでしょうか。好感度も高く、親しみやすい性格なので出演者からも評価が高いと言いますね。取材の時もサバサバしているんですよね。ただ、ちょっと生真面目過ぎるところもあるんですが(笑)」 (同)

 最近は廣瀬アナが番組内で披露する「歌唱」も評判となっている。

「司会者が歌うことに最初は違和感のようなものがありましたが、彼女の場合はやらされている感もなく歌い出す。今では番組の魅力のひとつにもなっていますね」(同)

「おはよう日本」に起用検討も?

 2年前から「NHKのど自慢」の週替わりの司会に抜擢されたのも、そんな一面を買われてだろうか。さらに「ダーウィンが来た!」のナレーションも担当し、かつてのスポーツアナのイメージが払拭されつつある。

「NHK内でも上層部からの評判が高いと言われています。1年前にスタートした『午後LIVE ニュースーン』の司会者候補として名前が上がったようですし、この春の改編では『おはよう日本』のキャスターにどうか、という意見もあったようです。結局は『のど自慢』の司会も担当していることからスケジュール調整が困難と判断され、起用が叶いませんでした。噂では“ならば『のど自慢』の司会をおろせないか…”という案もあったとか。ただ、さすがに現場からの反発があったのでしょう」(NHK担当の放送記者)

 市來アナも日テレの音楽番組「べストアーティスト」などの司会を担当しているが、アナウンサーからしてみるとニュースとはやはり違った難しさがあるらしい。さるテレビ局プロデューサーは2人をこう評する。

「市來さんの場合は、やはりアイドル出身の女子アナですからね、当然、音楽に対しての理解も深い。昨年は日テレの番組『熱唱!ミリオンシンガー』で歌唱力の高さを証明し、視聴者から称賛されました。彼女も廣瀬アナにも言えるのは、ニュースやスポーツ番組とは違う、音楽やバラエティ番組に求められるコミュニケーション力があって、臨機応変な対応ができるということ。多才な能力を発揮できる場を得たことで、業界内外の注目が集まりやすいのだと思います」

渡邉裕二(わたなべ・ゆうじ)
芸能ジャーナリスト

デイリー新潮編集部

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