現場そばの店から嘆きの声「県から休業補償のお話はありません」 埼玉・八潮の陥没事故から2カ月…見つからない74歳運転手と戻らない日常【現在の写真】

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「とても営業できる状況では……」

 そして決まっていないのは、大工事現場と化した穴周辺に暮らす人々の日常の回復も同様である。

 2月19日に住民の避難は解除され、下水道の利用も通常に復したとはいえ、周辺の店は先の見えない臨時休業を余儀なくされている。

 現場に最も近く、看板も穴に落ちた外食チェーン「和食麺処サガミ」の担当者によると、

「とても営業できる状況ではありません。県から休業補償などのお話はありませんが、被害を算出し、どこかの段階で求めていこうと思っています」

 が、県もまた先が見えず、「まだ検討段階で……」(県広報)と、言葉を濁すしかない。

 老朽化の傷みが目立つ国土に空いた穴。最初は小さくともそれはどんどんと広がり、人々の暮らしをものみ込みつつあるのである。

撮影・本田武士

週刊新潮 2025年4月3日号掲載

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