38万円スイートルーム飲み会に「国税が注目」…フジテレビに起きる深刻な事態を危機管理の専門家が予測
3月31日、元タレントの中居正広氏(52)とフジテレビの女性アナウンサーとのトラブルをめぐる一連の問題で、第三者委員会が調査報告書を公表した。両者のトラブルについては「『業務の延長線上』における性暴力であった」と判断した上で「フジテレビの幹部が中居氏の利益のために動いた」と指摘した。その後、単独で会見に応じたフジの清水賢治社長は、改めて女性アナウンサーに謝罪――これでフジテレビは再生へと進めるのだろうか。
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【独占写真】会見3日前に高級外車でお出かけ… 「中居正広氏」の変装姿をカメラが捉えた!(3月28日撮影)
「フジテレビは再生どころか、富士の樹海に迷い込んで出口が見つからなくなっている印象を持ちました」
とは、株式会社リスク・ヘッジの取締役・田中辰巳氏だ。今回の第三者委員会による報告書とフジの対応について、危機管理の観点から語ってもらった。
「第三者委員会の報告書は非常によくできていました。通常50~100ページほどの報告書が多い中、本記だけで273ページ、別冊の役職員アンケートの結果や要約版など含め実に394ページに及びます。しかも極めて合理的に真実を断定していきました。中居氏の他のセクハラ案件や中居氏以外のセクハラ案件、さらに、過去に遡って歴史的背景まで調べ上げていた。それだけにフジにとっては、これまで以上に厳しい状況に陥ったと言っていいでしょう」(田中氏)
昨年末に中居氏と女性アナとのトラブルが報じられ、今年に入ってからフジはたびたび会見を開いてきた。
最初の会見は1月17日、フジテレビの港浩一社長と嘉納修治会長(いずれも当時)による“紙芝居会見”だった。取材者を限定し、テレビの撮影を禁止したため、報道機関にあるまじき会見と大批判を浴びた。
数々の失敗
1月27日の“やりなおし”会見は、一転して取材自由、時間無制限の生中継となったため、10時間超に及んだ。港社長、嘉納会長、遠藤龍之介副会長、親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の金光修社長に加え、フジの次期社長に就任する清水氏も含めた5人が参加し、この日付で港社長と嘉納会長の辞任が発表された。
3月27日、清水新社長と金光FMH社長による会見で、日枝久取締役相談役はじめ遠藤副会長らの退任が発表された。
そして今回は清水社長が1人で臨んだ。これまでグダグダになりがちだった港前社長、イライラが表情や言葉から滲み出ていた金光FMH社長とは異なり、ソフトなイメージの清水社長は終始穏やかに淀みなく答えていた。それでも田中氏は「これまで以上に厳しい」と言うのだ。
「確かに弁舌は悪くありませんでしたが、中身があったでしょうか。危機管理は『感知・解析・解毒・再生』という4つのステージを順番に追っていかなければなりません。そもそもフジは、女性アナウンサーが性被害に遭ったことを感知した時点で、重大な案件であることを見誤りました。そのため、解析である次の展開の予測もできていませんでした。そして、解毒を行うはずの会見で失敗を重ね、かえって毒を増やすことに……。多くの上場企業は、自社のレベルからはほど遠いフジの危機管理の様子に呆れ、次々とスポンサーを降りていくことになったのです。そして今回、第三者委員会の報告書を受け、本来ならここで具体的な再発防止策を打ち出すべきだった清水社長が何も策を打ち出すことができず、解毒を完了することができませんでした」(田中氏)
再生への意欲は語っていたが……。
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