「家賃500万円を滞納」「万引きは今年に入って3回目」 逮捕された350勝投手・米田哲也の極貧生活 張本勲氏も「金の無心をされたことが」
「ずっと家賃を払ってもらっていない」
歴代2位の350勝、19年連続2ケタ勝利――日本プロ野球の歴史に名を刻む大投手・米田哲也(87)がスーパーで万引きに及び、窃盗容疑で逮捕された。盗んだのは、2本の缶酎ハイ。名選手の現在を取材すると、見えてきたのは想像を絶する極貧生活だった。
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【写真を見る】築50年の自宅アパート 伝説的な選手が暮らすとは想像しづらい
米田哲也氏による“万引き事件”が起きたのは、3月25日。報道によれば、兵庫県尼崎市のスーパーマーケットで、彼は350ミリリットルの缶酎ハイ2本を着衣に隠し、支払いをせずに店外へ。店長が声をかけると、逃げようとしたためもみ合いになり、米田氏は声を荒らげてつえで殴りかかろうとしたという。110番通報により警官が駆け付け、米田氏は窃盗容疑で逮捕。缶酎ハイの代金は計303円だった。
米田氏が2016年から暮らすのは、尼崎市の築50年の木造アパート。大家が打ち明ける。
「間取りは2DKで、家賃は5万円。米田さんは奥さんと住んでいますよ。入居するとき、契約書の職業欄に“野球コメンテーター”とあって、“あの米田哲也やんか!”と。入居してくれるのであれば、そうしてほしいと思いました。米田さんといえば大エース。私は阪急のホームグラウンドだった西宮球場まで、よう観に行っていましたから」
だが、“借主”としての米田氏は往年の大投手からほど遠かった。
「入居当初は、米田さんを仲介した不動産屋が毎月の家賃を払っていたんですよ。でも、それが1年ほどで止まってしまった。17年3月以降、もうずっと払ってもらっていません。ざっと、500万円くらい滞納しているんです」(同)
米田宅へ催促に赴くと、
「“もうちょっとしたらカネ入んねん”って、毎回同じこと言うんですよ。保証人が奥さんだから、どうしようもない。奥さんに聞いても、すぐ“主人を呼んできます”って引っ込んじゃう。3月にも行ったんですけどね。まあ、裁判となると弁護士を雇わないといけないし、私は元阪急ファンやからなあ」(同)
むげに追い出せない苦衷の胸の内を漏らすのだ。
「一時はテレビもなく、エアコンを付けたのも去年」
家賃さえ支払えない生活。その果ての万引きだったわけだが、驚くことに、万引き騒動はこれが初めてではなかったのだ。
「今年に入って、今回で3回目や。1回目は近くのドラッグストア、それから1週間もせんうちにコンビニでやりよった」
とは、近隣住民の弁。
「警察もぎょうさん来とったで。ドラッグストアのときは奥さんがすぐに迎えに行った。コンビニのときには、おまわりが“お前またやっとんか”ってあきれてたらしいわ。このときは勾留されとったな。近所のおばちゃんが差し入れの服を持って行ったり、数千円のお金を持って行ったり。米田さんは“もうしない”と言ってたみたいや。いつだったか、彼に“おつとめご苦労さん”言うたら、ニヤッと笑いよったわ」(同)
どう見ても生活は楽ではなかったようで、
「一度、生活保護は受けてないのか聞いたら“そんなん、わしは受けてない”と言うてた。嫁さんの身内に援助してもらってたらしい。でも、それが立ちいかなくなったんやな。去年の秋ぐらいから、生活保護を受け始めたと思う。たまにケースワーカーが来てるから。一時はテレビもなかったいう話や。エアコン付けたのも去年のことやと聞いた」(同)
この住民は、彼から信じがたい頼み事をされたことがある。
「つい最近、空き缶を片付けていたら米田さんがやってきて“これ、集めてくれ”って。プルトップや。こんなん集めてどうするのか聞いたら“小学校に持って行ったら、車椅子と換えてくれるんや”って」(同)
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