巨人開幕3連勝、「若林とキャベッジ」のコンビは強力になる予感…4番・岡本はどんな球にでも対応しようとするべからず【柴田勲のコラム】

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4番・岡本和真はボール球を振るな

 坂本勇人にいいところがなかった。私にも覚えがあるのだが36~37歳になった頃か。速い球に遅れるし、目がついていけない。打てなくなると、「オヤッ」と考えてしまう。

 彼はプロ入り当初から活躍して、2400本以上打っている選手だ。それだけに実績があればプライドがある。

 今年の12月で37歳か。どうしてもいろいろ考えこんで悪循環に陥ってしまう。いまがその時期なのかもしれない。払いのけるのは言うまでもなく結果だ。坂本はまだまだできる。頑張ってほしい。

 4番の岡本和真には一発が欲しかったが相変わらずだ。ボール球を振っている。どんな球にでも対応しようとする。内角シュートに手を出して三ゴロなんてなる。

 相手投手は岡本に対してまともに勝負してこない。こねくり回してくる。

 もっとどっしり構える。ボール球を振らない。徹底して1ストライク目、2ストライク目を打ちにいく。王さんがそうだった。岡本は40本以上打てる選手だと思うし、三冠王だって狙える。4番が打てばチームは盛り上がる。

新戦力の甲斐拓也もよく打った

 投手陣については心配していない。赤星優志は大量点をもらったせいか、落ち着いていた。四球で崩れるタイプだが0だった。石川が好投したように投手は出てくるものだ。四球2は許容範囲かな。

 一つ言うなら、確かにいいチェンジアップを持っているが、もっと真っすぐの割合を増やした方がいい。より効果的になる。

 新戦力の甲斐拓也もよく打ったし、張り切っていた。捕手は大変なポジションだ。疲れが出たら大城卓三の出番だ。

 巨人の中継ぎ陣は分厚い。どこのチームもそうだったが、ライデル・マルティネスが最後に出てきたら諦めるしかなかった。それが大勢からバトンを受けて登場する。今季の巨人は6回までリードしていれば逃げ切れる公算は大だ。

 心配なのは打線だ。3連戦は打ったが、ポーンと外野フライが出れば得点できるシーンが開幕戦を含めて6回くらいはあった。そこで取れていない。勝ったからいいではなく、もっと自分が打てる高さやコースを頭に入れておいてほしい。

ソフトバンク3連敗は予想外

 開幕前の予想では巨人、阪神、DeNA、広島、ヤクルト、中日の順番にした。巨人は3連勝、阪神とDeNAも勝ち越した。

 でもパ・リーグは、1強に挙げたソフトバンクがロッテに3タテを食らった。これは予想外の出来事だった。

 巨人は1日から名古屋に乗り込んで中日3連戦、そして4日からは東京ドームに阪神を迎える。中日戦では田中将大の登板があるだろう。

 乗った巨人の戦いぶりに注目だ。

(成績などは3月31日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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