東大の学費値上げに“賛成論”が出るワケ いまや「富裕層」の大学 就職先も軒並み高賃金
このままでは経営悪化
実は東大の経営は苦しいとたびたび指摘されている。2023年の東大の経常収益は2680億円。内訳は税金である運営費交付金、補助金等の国費が約35.1%、付属病院収益や特許料などの自己収入が約30.5%、共同研究や寄付金など外部資金が約34.4%という比率だった。国からの運営費交付金は年々減額傾向にあるため東大といえどもこのままでは経営の悪化は免れない。
そこで対策として打ち出したのが米国の大学で活用されている資金運用だ。
「国立大学とは言え、もう国に頼ってばかりはいられません。例えば米ハーバード大学の運用資産は約588億ドル(約9兆円)と、米国の大学としては最大級の運用資産規模を誇っています。
東大も藤井輝夫総長の肝いりのもと、ハーバードのような資産運用をするため、23年4月に資産運用会社ブラックロック・ジャパン元CIOの福島毅氏が東大初のCIO(最高投資責任者)に就任。同8月には元みずほフィナンシャルグループ執行役副社長で元資産運用会社アセットマネジメントOne社長の菅野暁氏がCFO(最高財務責任者)に就任しています。
目標は現在の寄付金残高約500億円を10年間で10倍の5000億円にすること。これにより財務経営体制を抜本的に強化するといいます。今後は寄付金をいかに増やしていくかが東大の将来を握るカギとなりそうです」(前出の関係者)
いっそ、外資系コンサルや大手総合商社など高額給与の企業に就職した東大出身者から多額の寄付を募ったらいかがか。