【きょう再び会見】フジテレビが人材流出防止のため「期末ボーナス約2カ月」を大判振る舞いしていた 若手社員たちからは「ますます不安になる」

エンタメ

  • ブックマーク

 フジテレビが苦慮しているのは、スポンサーや株主、視聴者といった“外憂”ばかりではない。「俺たちの生活をどうしてくれるんだ」という社員たちからの激しい突き上げ、“内憂”にも頭を抱えている。従業員の不満を手っ取り早く解消するには「カネ」しかないのだろう。赤字垂れ流しの最中に行った「期末ボーナス約2カ月」の大判振る舞いは、はたして社員のモチベーション上昇につながったのか?

 ***

「また望月記者がやってくる」

「女子アナは勢いで辞められて、いいなぁとみんな話しています。本当は私たちもすぐにも後を追いたい気持ち。けれど、なんだかんだ言っていいお給料をもらっているから身動きしづらいのです」

 こう本音を明かすのは30代の女性社員だ。フジの平均年収は約1300万円。社会の平均年収と比べればかなりの厚遇だ。だが、今は多くの若手社員が転職サイトを見ている状態だという。

「ただでさえ民放他局に大きく水を開けられている状態なのに、CMなしの状態が続いて、復帰の目処すら立っていない。誰だって会社の未来が不安になりますよ」(同)

 フジは今日(3月31日)、第三者委員会からの報告という大きな節目を迎える。報告後、前回の“やり直し”会見同様、記者席400席を用意した“フルオープン形式”で記者会見を行い、夕方から午後9時まで10分ディレイで地上波にて放送する予定だ。

「今日は今ウチが流しているコンテンツの中でも珍しく高評価をいただいている『月9ドラマ』、『119 エマージェンシーコール』の最終回なんです。感動のフィナーレ直前まで、また前回のような会見が続くと思うと憂鬱です。東京新聞の望月衣塑子さんもすでに腕まくりしているとウワサですし…」(同)

これまでの倍以上が出た「期末ボーナス」

 今日に先立ち、フジは28日に取締役会を開催し、世間から猛批判を浴びていた日枝久相談役の退任を発表した。当初、役員人事は第三者委の報告後と見られていたため、一刻も早く事態を収束させたいフジの焦りが垣間見える。

 だが、仮に今フジが進める改革にスポンサーが納得して戻ってきたとしても、働き手のモチベーションが低下したままではいいコンテンツが作れない。上述したように、特に若手社員たちの不満は噴火寸前なのだ。

 そんな社員たちの不満解消のため、フジは2月6日、清水賢治社長を本部長とする「再生・改革プロジェクト本部」を設置。社内コンプラの再構築に向けて動いているが、それだけでは足りないと感じたのだろう。3月13日、「期末激励賞」の給付や若手・中堅社員の給与アップを発表した。

 期末激励賞の対象は一部の幹部や役員以外の社員。基本給にグレード手当などを足した算定基礎額に1.88倍を掛けた金額を支給する。夏・冬の通常ボーナスに加えて、さらに約2カ月分の特別ボーナスを支払うという内容だ。

「これまでも期末激励賞は支払われていたのですが、基本給かける0.7位でしたので大判振る舞いですよ」(前出・社員)

次ページ:「この程度のカネでは…」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。