尾崎亜美のアルバム曲「純情」が令和に海外で人気沸騰、昭和のヒット作で味わった“生みの苦しみ”や入院先での“身バレ”も懐古
知る人ぞ知る曲「New Precious World」の意外な人気に本人も歓喜
Spotify人気曲第7位には、’91年のアルバム『Natural Agency』に収録された「New Precious World」がランクイン。この曲こそ、それまでどのベスト盤にもまったくセレクトされていない、“超隠れ名曲”だ。実際に本作を聴いてみると、終始穏やかに進行するミディアム調のバラードで、アルバムの中に1曲あるとうれしい、心安らぐ作品という感じだ。カラオケ向きのヒット曲が量産されていた当時のJ-POP界隈においても、かなり異質な作品と言える。
「この曲は、ただ歌うためだけではなくて、実験的に作ってみたかったんです。もちろん、リリースするものは、自分でもおすすめの曲ばかりですが、この曲は私の大好物である複雑な“転調”もあるし、ブラス隊も盛り込んでいるし……と、通常のライブで実現するには難しいアレンジでした。そんな曲を、音楽的に楽しんでくださっている方が多いのはとても心強いですね。私のように、好きな音楽を作って長生きしているようなアーティストにとっては、こういった評価はホントにうれしいです!!」
「New Precious World」は海外リスナーが6割となっており、特に台湾、韓国、タイなどアジア圏での人気が高い。また、’23年以降は「’90s(=’90年代) City Pop」というキーワードのプレイリストで大量に選曲されている。もしかして、尾崎はこの頃から海外でのヒットを視野に入れていたのだろうか。
「“世界に向けて”なんて思っていないですよ~(笑)。ちゃんと日本のみなさんに聴いてもらおうという気持ちを込めていますが、ウケる/ウケないの基準以上に、アーティストとして作ってみたいものを形にするようにしています」
尾崎は音楽面における経験値が高く、提供作でのヒット実績も多いのに、あまりに謙虚で、時に失敗談もコミカルに話してくれる。そのため、目の前にいてもスゴい人ということを忘れてしまうほどだ。彼女が見せるそうした心遣いもまた、大物ゆえの現れなのだろうと、改めて感服した。
次回は、観月ありさへの提供作「伝説の少女」のエピソードや、提供作とセルフカバー作が全く同じ曲目・曲順で収録されている2枚組CD『TWIN-SONGs~尾崎亜美作品集』について語ってもらおう。
【INFORMATION】
◎2枚組アルバムコンピレーションCD『TWIN-SONGs~尾崎亜美作品集』 2025/3/26発売!
ディスク1には1970年代後半から’90年代初頭までに尾崎亜美が15人の女性シンガーに提供した楽曲のオリジナル音源を収録。ディスク2には尾崎亜美自身によるカバーを、ディスク1と同じ曲目、曲順で収録。
Disc 1収録曲/歌唱
1. オリビアを聴きながら/杏里
2. 天使のウィンク/松田聖子
3. あなたの空を翔びたい/高橋真梨子
4. Summer Beach/岡田有希子
5. 時に愛は/松本伊代
6. 化粧なんて似合わない/岩崎良美
7. パステル ラヴ/金井夕子
8. 微風(そよかぜ)のメロディー/河合奈保子
9. 伝説の少女/観月ありさ
10. 届かなかった AIRMAIL/真璃子
11. LADY/桜田淳子
12. Happy Birthday/横山知枝
13. 風を見つめて/榊原郁恵
14. 雨は止まない/薬師丸ひろ子
15. 春の予感‐I've been mellow‐/南沙織
Disc 2
1~15の楽曲を同じ曲順で尾崎亜美がセルフカバー
◎2025年4月、『尾崎亜美 CONCERT 2025』開催!
【メンバー】
尾崎亜美(Vo,Key)/小原礼(Ba)/是永巧一(Gt)
【会場】
・2025/4/4(金)@ビルボードライブ横浜
・2025/4/7(月)@ビルボードライブ大阪
・2025/4/25(金)@ビルボードライブ東京
1st ステージ 開場 16:30 / 開演 17:30
2nd ステージ 開場 19:30 / 開演 20:30
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