【実際の写真】視察した府議は「思わずぼうぜん」 開幕まで3週間「大阪万博」のパビリオン建設が終わらない! 「骨組みがむき出しで、資材が積み上がり…」

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 いよいよ4月13日の開幕まで2週間となった大阪・関西万博。ところが、目玉パビリオンの建設工事が一向に終わる気配がなく、関係者の間から「開幕に間に合わない!」と心配する声が上がっているのだ。

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工事音が響き渡る現場

「大阪万博のシンボルである大屋根リングの外に位置する、EXPOナショナルデーホールやヘルスケアパビリオンなどの主要施設はすでに完成しています。しかしリング内の海外パビリオンの多くが今も工事の真っただ中にある現場を目にし、思わずぼうぜんとしました」

 驚きを隠せない様子でこう話すのは、3月23日に万博会場を視察した大阪府議の山田健太氏(39)である。

 山田氏はこの日、会場への入り口となる東西ゲートの一つ「東ゲートゾーン」を視察した後、リング内へと向かったというが、

「内側に足を踏み入れた途端、工事音が響き渡り、資材などを積んだトラックが行き交う状況に出くわしました。実際、東ゲートに近いエンパワーリングゾーン内にあるコロンビア共和国のパビリオンは外壁工事の途中で、上部は骨組みがむき出しでした。また中国やクウェートのパビリオン前も資材が積み上がり、トラックが出入りしていた。これではテストランに参加できない国も出てくるのではと不安になりました」(同)

来場者を迎えられる状態にあるのは「わずか二つ」

 テストランとは、開幕前に来場者を入れて、会場の運営状況を確認する試験的な開業を指すが、大阪万博でも4月に予定されている。

 しかし、そのテストランについて、実施主体の日本国際博覧会協会は「参加国の要請で(建設が)間に合っていない姿を報道してほしくない」との理由で3月17日、メディアによる取材は認めないと発表した。

 この対応が「異常事態だ」と話すのは建築エコノミストの森山高至氏である。

「本来は宣伝効果の高いマスコミ取材とテストランはセットで考えるのが常識です。にもかかわらず取材NGとなるのは、それだけ予定より工事が遅れていることの証左といえます」

 参加国が自前で建設する海外パビリオンは42に上るが、すでに来場者を迎えられる状態にあることを示す「使用許可」の交付を受けたのは、3月21日時点でわずか二つしかない。

「パビリオンは外側が完成したら終わりでなく、その後に内装や設備の敷設・導入、さらに展示物も入れなくてはならない。また消防検査なども必要で、それらを考慮すると、すべての工事や搬入作業が3月末までに完了していないと開幕には間に合いません」(同)

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