窮地のフジテレビで唯一「バズる」バラエティ 悪ノリと感動が交差する「千鳥の鬼レンチャン」
じわじわと人気に
現在、フジテレビはかつてないほど厳しい状況に置かれている。中居正広氏の女性トラブルへの対応が問題視され、70社以上のスポンサー企業が一斉にCM出稿をとりやめてしまったからだ。その後もほとんどCMが放送されていない異常な状態が続いている。
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バラエティの制作現場にもその影響が出てきている。毎年夏に放送されていた「FNS27時間テレビ」も、今年は放送されないことが発表された。スポンサーが撤退している今の状況では、あのような大規模なバラエティ特番を制作することは難しいという判断になったのだろう。
窮地に陥っているフジテレビのバラエティ番組の中で、唯一気を吐いているのが「千鳥の鬼レンチャン」である。2022年からレギュラー放送が始まり、じわじわと人気を伸ばしてきた。SNSやネットニュースなどで番組内容が取り上げられ、ウェブ上でバズることも頻繁にある。
番組のコンセプトは「レンチャン(連チャン)」という言葉に集約されている。千鳥軍とかまいたち軍の2チームに分けられた挑戦者が、何かを連続で成功させるチャレンジを行い、そのチームの合計点を競い合う。
この番組の代名詞とも言えるのが、メイン企画として行われている「サビだけカラオケ」である。のど自慢の挑戦者たちが、正確な音程で、10曲連続でサビだけを歌い切ることを目指す。見事にクリアできれば、賞金100万円が与えられる。
スタジオにいる千鳥とかまいたちがそのチャレンジをただ見守るだけなら、ここまでの人気は得られなかっただろう。この番組の売りは、彼らの絶妙なリアクションやコメントにある。
千鳥とかまいたちの2組はVTRを見ながら挑戦者に対して好き放題にツッコミをいれたり、文句を言ったりする。スタジオには彼らしか存在しないため、ほかの分野のタレントやアナウンサーの目線に合わせたりすることなく、彼らが全力を出して暴れることができる。ツッコまれる前提で羽目を外してふざけまくったり、行き過ぎた悪ノリを展開したりするところを楽しめる。
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