「先生の解説を聞く」だけでは成績は伸びない…中学受験を勝ち抜くために必要な“たった2つの方法”
中学受験も医学部受験も、基礎を盤石にしたもの勝ち
同じことは、医学部受験でも言える。
「私の予備校では、基礎の市販の問題集のみを使って、受験勉強を進めていきます。初めはみんな「こんな薄い問題集だけで、医学部に合格できるはずがない」と驚きますが、2025年度入試では140名(重複除く)の生徒が医学部に合格し、51名が国立医学部にも合格しています。思考力が重視されるようになったと言われている大学入学共通テストに変わっても、やはり基礎のみで医学部に十分合格できると、私は確信しています。
また、中高の6年間、有名な大手予備校の医学部コースにまじめに通っていたものの、高3の最後の模試偏差値が39だった生徒が、私の予備校に転塾し、浪人中の1年間、基礎だけを徹底した結果、偏差値70に上昇し、難関国立医学部と難関私立医学部に合格したという例がありました。このように、基礎を徹底することで、合格の道が拓かれていくのです」
そして、最後に高梨氏はこう語る。
「『中学受験をするなら塾が不可欠』『難関中学や大学に合格するには、難しい問題が解けるようにならなければいけない』、誰もが信じて疑わない常識を取り外すことは、勇気はいります。でも、現状、今通っている塾で成績が伸び悩んでいるようであれば、うまくいっていないということ。その場合は、やり方を変えてみるか、根本的な考え方を疑ってみることが大切です。
これから中学受験を検討されているご家庭は、『そろそろ中学受験の準備を始めなければいけないから、塾選びをするか』と塾ありきでスタートするのではなく、『中学受験に塾は本当に必要なのか』一度立ち止まって考えてみてください。受験に対する間違った思い込みを捨てると、やるべきことがシンプルになります。そして、基礎を徹底させるということは、実はものすごく根気のいることなのだと知ると、お子さんにかける言葉もダメ出しから労いや応援に変わり、より良い親子関係が築かれていきます」
前編「医学部予備校の代表が『中学受験に塾は必要ない』と断じる理由 医学部受験とも共通する『手を出してはいけない問題』とは」では、「難問を解かせる塾の戦略」について高梨氏に解説してもらっている。
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