「書いてあることはすべて事実」 アントニオ猪木の弟が覚悟の執筆 波乱万丈の闘魂人生
兄貴の言うことは絶対
――お兄さんの生き方で、特に尊敬できる部分はどこですか。
練習に対する熱意は本当にすごかったです。ブラジルにいた10代の頃は、砲丸投げでオリンピックに出るという目標を持ち、夜遅くまで練習していました。田舎で電気もないところです。私がランプを持って、距離を測る手伝いをしたこともありました。
――理解できなかった部分はありますか。
特にないですね。兄貴の言うことは絶対でしたし、兄弟間で下の者が上に意見を言うことはなかったので。
――いちばん嬉しかった瞬間は何ですか。
ブラジルにいた時に、兄貴が参議院議員に当選したという報せを受けたことですね。遠く離れていましたが、とても嬉しかったです。ブラジルでもニュースになり、テレビ局からインタビューを受けました。
――亡くなられた時は、どのようなお気持ちでしたか。
もっと早く治療を受けていれば、もう少し長生きできたのではないかと悔しい気持ちがありました。私は医療関係の仕事もしていたので、もっとできることがあったんじゃないかと考えてしまいます。
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第2回【「おいアゴ」「ブラジルの猿」と罵倒され…猪木が力道山から強要された「一升瓶の一気飲み」】では、ブラジルでの壮絶な生活を明かしている。
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