常連バー店主が明かす「志村けんさん」の“飲みっぷり” 「毎回違う女の子を2~3人連れてきた」「酔った勢いで…などという振る舞いとは無縁」

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存在感を消すようなたたずまい

 その“飲みっぷり”は徹底されていた。

「まれに他のお客さんから『志村さんですよね』と声をかけられても『あー、こんばんは』と一言であいさつを済ませ、それ以上、写真やサインを求める人もいませんでした。芸能人のお客さんは大体、カウンターよりも人目につかない奥のソファー席を好み、常連の石田純一さんもそうしていましたが、志村さんは常にカウンター。お客さんの出入りをいちいち目で追ったりもせず、まるで存在感を消すようなたたずまいを見せていました」

 店内では、音楽に合わせて客がフロアで踊り出すこともあったのだが、

「そんなふうに盛り上がっても、志村さんは輪に加わろうとせず『いい店だろ』『この曲、俺がリクエストしたんだ』などと、隣の女の子たちと小声で会話を楽しんでいました。“静謐(せいひつ)”という言葉そのもの、酔った勢いで……などという振る舞いとは、およそ無縁の飲み方でしたね」

 最後の来店は、亡くなる2カ月ほど前だったという。

「いつものように若い子を2人連れ、カウンターで伊七郎を4杯ほどやっていました。帰り際も『また来るね』と。それが最後のやり取りになってしまいました」

 飲みかけの「伊七郎」は、現在も伊藤氏の店で保管されている。

週刊新潮 2025年3月27日号掲載

ワイド特集「お好きなように」より

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