常連バー店主が明かす「志村けんさん」の“飲みっぷり” 「毎回違う女の子を2~3人連れてきた」「酔った勢いで…などという振る舞いとは無縁」
専用の“裏メニュー”
2度目の来店は3カ月ほどたった頃。やはり2人の若い女性を連れていたのだが、前回とは別の女性だったという。そして、
「ある時、志村さんが焼酎の一升瓶を2本、手に来店され、『持ち込んでもいい?』と言うのです。それが、生前に好んでいたと報じられたことのある芋焼酎『伊七郎(いひちろう)』でした。『1本は伊藤さんが飲んで。もう1本は俺が飲む。いくらでもいいから、今後は勘定に入れて』と仰るので、ご厚意に甘えて1杯1000円で志村さん専用の“裏メニュー”となったのです」
それから間もなくして、
「いつもの女の子たちより年齢が上の女性を伴って来店されました。聞けば『伊七郎』の会社の方だといい、志村さんからは『瓶が空いたら彼女に連絡して取り寄せておいてほしい』とのお話があったので、以降はそうさせていただきました」
「毎回違う女の子を連れてきた」
その後も2カ月に1回ほどのペースで来店し、
「毎回、必ず違う女の子を2~3人連れてきました。ただし女性と二人きりだったことはありません。また、プライベートと仕事は分けていたのでしょう。芸能人や業界関係者の人は、一度も連れてくることはありませんでした」
同店では1970~80年代に流行したソウル音楽を流しており、
「志村さんから『テディ・ペンダーグラスの曲ある?』とリクエストがあったので、名曲『Do Me』をかけたら大変喜ばれていました。他にもヴァン・マッコイの『The Hustle』、マービン・ゲイ&ダイアナ・ロスの『Don't Knock My Love』やシュガーヒル・ギャング『Rapper's Delight』などをリクエストし、カウンターで上半身だけスイングしてリズムに身を委ねていました」
ザ・ドリフターズ時代には、音楽を効果的に活用したコントも多くあった。
「加藤茶さんとの“ヒゲダンス”をはじめ、ドリフはコントネタの音源をソウルミュージックに求めることが多かったので、志村さんも造詣が深かったのだと思います。飲みながら『どんな音源でも持っているんだね』『いつもいい曲をありがとう』と褒めてくれたのを覚えています」
[2/3ページ]