「親の十四光り」は間違い? Koki,の演技への意外な高評価と、「キムタク超え」の可能性

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 3月20日に公開された、Koki,の主演映画「女神降臨 Before 高校デビュー編」。彼女に対して「親の七光り」というアンチの声は根強いが、ライターの冨士海ネコ氏は、今後女優として活躍する可能性が高いと予想する。

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 今年の日本アカデミー賞(以下、日アカ)が珍しかったのは、男優部門にも女優部門にも「2世」がいなかったことである。去年は安藤サクラさんイヤーだったし、松田龍平さんや佐藤浩市さんなど一時期常連化していた2世俳優は珍しくない。アスリートや歌手、ミュージシャンを親に持つ人も2世とすれば、長澤まさみさんや杉咲花さんは業界内外で支持率の高い人たちだ。息の長い活躍を続ける松たか子さんは、「ファーストキス 1ST KISS」のヒットで来年度の有力候補に入るだろう。

 さて、その日アカの放送局である日本テレビの映画事業部が手がけたのが、韓国のWEBマンガ原作の「女神降臨」。すでにドラマは本国で制作されていたが、日本版のヒロインは木村拓哉さんと工藤静香さんの次女・Koki,さんに白羽の矢が立った。「牛首村」「TOUCH」の過去2本の出演作と全く毛色の違う王道ラブコメ。2部作仕立てというロングスパンの興行収入を見すえ、「しゃべくり007」や「ぐるナイ」などバラエティー番組での宣伝に精力的に励むKoki,さんの姿に、ファンも増えているようだ。

 一方で、「演技が未熟な、親のゴリ押しの産物」、というアンチの声は根強い。確かに、出演作が即主演という新人女優はそういない。先日は香港で行われた第18回アジア・フィルム・アワードでライジング・スターアワード賞を受賞したが、女優デビュー前から雑誌「ELLE」が選考する映画新人賞を受賞する経緯があっただけに、厳しい見方をされることは免れないようだ。

 ただ、本当にゴリ押しの一言で片付けられるものなのか。ちょっと意地悪心で、3月20日公開の「女神降臨 Before 高校デビュー編」を見に行ってきた。しかし見終わってみれば、「これはKoki,さんにピッタリだった」と思わざるを得ない映画だったのである。

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