センバツで見せた“超高校級の俊足”エナジック「イーマン琉海」 驚異の三塁到達タイムは大学時代の「周東佑京」に匹敵!

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 2022年の創部ながら、早くも今年の選抜高校野球で初出場を果たしたエナジックスポーツ(沖縄)。3月21日の至学館(愛知)との初戦では、序盤からリードを奪い、8対0という大差で甲子園初勝利を飾った。25日の2回戦で智弁和歌山に敗れてはしまったが、チームの代名詞である、ベンチからの指示に従うのではなく、選手自身で判断しながら戦う“ノーサイン野球”は甲子園にしっかりと爪痕を残した。その中でも、圧倒的な存在感を示していたのがトップバッターのイーマン琉海(3年)だ。【西尾典文/野球ライター】

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「年に数人」レベル 驚異の三塁到達タイム

 まず目立つのが、驚異的なスピードだ。第2打席では、レフトオーバーのスリーベースを放った。この時の三塁到達タイムは、驚異の「10秒98」をマークしている。

 三塁到達タイムは12.00秒を切れば。“俊足”と言われる。11.00秒を切る選手は、毎年400試合以上、現地でアマチュア野球を取材している筆者でも、年に数人が確認できる程度だ。

 ちなみに、周東佑京(ソフトバンク)が、大学4年時に出場した全日本大学野球選手権でのスリーベースで記録した三塁到達タイムが、ちょうど同じ「10秒.98」だった。いかに、イーマンのスピードが“超高校級”であることがわかるだろう。

 イーマンの魅力は、スピードだけではない。第3打席以降もヒットを重ねて、4安打を記録するなど、高い打撃力を兼ね備えている。

 脚力がある選手は、どうしてもスピードを生かそうとし過ぎて“走り打ち”になる傾向が多い。しかしながら、イーマンは、そうならずにしっかりバットを強く振り切っている。第2打席のスリーベースは、レフトの頭上を超えたものであり、第3打席のセンター前ヒットは、打球の速さも素晴らしかった。

 この2本は、高めのボールをとらえたものだったが、第5打席のセンター前ヒットは、低めの変化球に対して膝を柔らかく使って、打ち返している。対応力の高さも特筆すべきだ。

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