まもなく投手・打者・パパの三刀流! 「大谷翔平」に“元パ・リーグ首位打者”の保育士がアドバイス「父親が参加すると確実に子育ての質が上がります」
できることをやる
「私は『プロ野球選手である以上、親の死に目には会えない』という時代も知っています。しかしロッテの選手だったので、例えばボビー・バレンタイン監督が友人の葬式のため帰国した時も間近で見ていました。あの帰国はプロ野球関係者の意識を相当に変えたと思っています。コーチが代理指揮を取りましたが、別に支障はありませんでした。それ以降は、身内が危篤に陥ったら駆け付ける、子供が産まれる時は病院に行く、ということが日本のプロ野球でも可能になってきていると思います」(同・高沢さん)
実際問題として、子育てと仕事の両立は楽勝だという親は、父親であっても母親であっても皆無だろう。誰もが苦労しながら子育てをしている。
「育児の基本方針は、とにかく『できることをやる』。おむつを替えるだけでも立派な育児参加です。何より子育てのプロである私たちを上手に使ってほしいと思います。アメリカでも乳幼児の育児をサポートする施設や制度が整備されているでしょう。私が働いている保育園の場合、シングルのお父さんやお母さんをサポートするのは重要な使命です。もし真美子さんや大谷選手が子育てに負担を感じるようなことがあれば、ロスの行政に相談すれば親身なアドバイスをしてくれるはずです。そして、大谷選手のお子さんが幼稚園や保育園に通うようになれば、『送り迎え』の“送り”だけは、できる限り大谷選手に担当してほしいと思います。朝はお父さんよりお母さんのほうが大変なので、私が勤務している『大豆戸どろんこ保育園』でも、朝の送りはお父さんが担当していることが多いのです」(同・高沢さん)
第2回【“保育士”に転身した元首位打者「高沢秀昭さん」が大谷翔平に伝えたい「無安打で落ち込んでも、子供の顔を見れば忘れられます」】では、高沢さんが保育士になった意外な経緯などについてお伝えする──。
註:2025年度より1歳児の配置基準は5人に見直される予定
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