まもなく投手・打者・パパの三刀流! 「大谷翔平」に“元パ・リーグ首位打者”の保育士がアドバイス「父親が参加すると確実に子育ての質が上がります」
ドジャースの大谷翔平は3月17日に自身のインスタグラムを更新し、愛犬デコピンの様子を公開して話題となった。ドジャースの開幕戦は東京で開催されたため大谷は来日したが、出産を控えている妻の真美子さんはロスの自宅で安静に過ごした。デコピンの写真は真美子さんが日本にいないことを改めて読者に感じさせたのだろう、ネット上では「デコピンはママとお留守番」という投稿が相次いだ。(全2回の第1回)
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【写真】1988年のパ・リーグ首位打者に輝いた高沢秀昭さんは横浜市内の保育園で、園児たちに笑顔でおやつを配っている
大谷と真美子さんの間に第一子が生まれる──日本でもアメリカでも関心は高い。昨年12月に真美子さんの第一子妊娠が発表されると、ドジャースのチームメイトがメディアの求めに応じて披露した“アドバイス”が興味深い。担当記者が言う。
「ムーキー・ベッツ選手は『今のうちに寝ておいた方がいい。子どもが生まれたら時間がなくなってしまう』と笑顔を浮かべ、ジェームズ・アウトマン選手は『赤ちゃんが家に戻ってきた初日は何をしたらいいのかと慌てると思う。しかしストレスを溜める必要はない。そのうち対応できるようになる』と自身の経験を披露しました。二人に共通しているのは『父親も育児に参加する』のを、ごく当たり前に考えていることです」
真美子さんの妊娠で、メジャーリーグには育休制度(パターニティ・リスト)が存在することも注目された。これまでにベッツやカブスの鈴木誠也、パドレスのダルビッシュ有が取得している。
ドジャースは大谷と10年総額7億ドル(約1015億円)の大型契約を結んだ。さらに大谷は睡眠を重視することでも知られている。
子育て経験のある読者は容易に想像がつくだろうが、赤ちゃんの夜泣きが親に与える負担は大きい。それによって“野球界の宝”である大谷のコンディションが狂う可能性はある。例えばロスの都心にホテルの部屋かマンションの一室を確保し、自分は一人暮らしをすることで体調をベストに整え、真美子さんのためには家政婦やコックを雇って育児のサポートを依頼することも理論的には可能だ。
元首位打者の保育士
だが、そんな対応が必要だとは誰も考えていない。大谷が常に高いパフォーマンスが求められる世界的トップアスリートであることを考えれば、不思議なことかもしれない。
特に日本の場合、いわゆる“イクメン疲れ”の悲鳴も報道されるようになってきた。長時間労働の上、さらに育児参加を強制されていると受け止める父親も相当な数に達している。それこそ父親が産後うつに罹患するケースも増えているのだ。「イクメン」という言葉自体に不快感を示す男性も珍しくない。
1988年のパ・リーグ首位打者である高沢秀昭さんのことを今でも鮮明に記憶している野球ファンは少なくないだろう。1979年のドラフトでロッテから2位指名されて入団。ゴールデングラブ賞に3回輝いた守備力に加え、ヒットもホームランも放てるオールラウンダーであり、盗塁を成功させる走力もあった。まさに1番から5番まで、どんな打順でも任せることのできる貴重な選手だったのだ。
特に高沢さんが首位打者のタイトルに輝いた88年のロッテは、近鉄との10・19が伝説的のゲームとして今も語り継がれている。シーズン最終戦であるダブルヘッダーを連勝すれば近鉄が西武を逆転して優勝という「マンガの設定でもあり得ない」大一番。近鉄が初戦を勝利しての第2戦、高沢氏は8回裏に近鉄の投手、阿波野秀幸さんから同点ホームランを放ち、近鉄の優勝を打ち砕いた。
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