近年になく戦力充実「巨人の連覇」をズバリ予想も「浅野には言いたいことがある」 パは「SB一強」の団子レース必至【柴田勲の順位予想】

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2連覇はまず間違いないソフトバンク

【パ・リーグの順位予想】

 1強5弱の展開になると思う。もちろん、1強はソフトバンクだ。他の5球団と比較して戦力が抜きんでている。

 不動の4番打者・山川穂高は本塁打王と打点王、近藤健介は首位打者、この二人に昨季はケガで52試合の出場に終わった柳田悠岐が健在だ。シーズンを通して働けば得点力アップは確実だ。

 足のある1番の周東佑京は昨季初めて規定打席に達して自信をつけ、今宮健太、正木智也、牧原大成ら他の野手陣を見渡しても力のある選手がそろっている。

 先発陣は最多勝の有原航平と最優秀防御率に輝いたリバン・モイネロが軸となり、救援陣もロベルト・オスナ、ダーウィンゾン・ヘルナンデスらが控えており人材は豊富だ。先発として新加入の上沢直之も期待できそうだ。

 唯一の懸念は甲斐の抜けた穴だが、ソフトバンクはその穴をキッチリ埋める選手が出てくるチームだ。海野隆司を筆頭に谷川原健太、そしてベテラン嶺井博希が控えている。大丈夫だと思う。昨季のようには突っ走れないと思うが2連覇はまず間違いないだろう。

石川柊太は佐々木朗希が抜けた穴を埋められるか

 日本ハム、ロッテ、楽天、オリックス、西武の五球団はどの順位に座ってもおかしくない。ダンゴ状態になるだろう。

 日本ハム:昨季、頑張ったものの、あの勢いを今季につなげていけるのか。オフは目立った戦力補強はなかった。4年目の新庄剛志監督が鍛え続けてきた現有戦力の活躍次第だ。

 ロッテ:確かにいい選手がそろっているけど、傑出した選手がいない。ソフトバンクからFAで移籍して来た石川柊太が佐々木朗希の抜けた穴を埋めることができるかどうか。

 楽天:昨季12球団ワーストのチーム防御率の改善がカギだろう。オープン戦では投打がかみ合っていなかった。

 オリックス:得点力アップが課題だがオープン戦では打てなかった。投打の主力を欠いている。故障者も多い。新戦力の出現が待たれる。

 西武:こちらも打線の充実がポイントだ。投手陣はそれなりにいいと思うのだが。まずは最下位からの脱出が合言葉だろう。

 結局、五球団にはこれだ!という決め手が欠けている。でも、思わぬ選手が大活躍し、なにかのきっかけで連勝することもある。その逆もあるが。そこが長いペナントレースの醍醐味だ。

 さて、まずは巨人・戸郷、ヤクルト・奥川で始まる28日からの巨人対ヤクルト開幕3連戦に注目したい。

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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