近年になく戦力充実「巨人の連覇」をズバリ予想も「浅野には言いたいことがある」 パは「SB一強」の団子レース必至【柴田勲の順位予想】
桜が開花し始めた。春の訪れとともにプロ野球が28日に開幕する。阿部慎之助監督率いる巨人は昨季、4年ぶりのリーグ制覇を達成したが、日本シリーズ進出を逃した。その悔しさを糧に果たしてリーグ2連覇なるか、2012年以来の日本一の座に就けるのか。今年第1回目の今コラムはその巨人を中心に今季を展望し、併せてセ・パ両リーグの順位争いを記したい。
菅野の抜けた穴を投手陣全体でカバー
巨人は今オフ、久々に大型補強に踏み切った。日米通算197勝の田中将大、さらに石川達也、中日の守護神だったライデル・マルティネス、さらにソフトバンクから甲斐拓也捕手を獲得した。
昨季15勝3敗と12個の貯金を作った菅野智之がメジャーに移籍した。その穴を埋めるためでバッテリー強化が目的だ。
特にセーブ王2度のマルティネスの加入は大きい。巨人は6回くらいまでにリードすればカイル・ケラー、アルベルト・バルドナードらから大勢に8回を任せて新守護神の出番となる。しっかりとした勝ちパターンを作ることができる。元々救援陣の層は厚かったが、これは12球団屈指と言っていい。
先発陣も戸郷翔征、山崎伊織、フォスター・グリフィン、井上温大と4枚そろっている。これに田中将を始め石川、赤星優志らが絡んでくる。
田中将に関しては正直なところ未知数だ。最初は先発で使うだろうが、私なら先発陣の5番手にリリーフ陣から船迫大雅を推したい。
先発の条件は長いイニングを投げられる、冷静である、四球が少ない、そして何よりもポカをしないことだ。船迫はこの条件に合っている。制球力も悪くない。長いイニングを投げるに越したことはないが、今季の救援陣の充実ぶりから5回を投げてくれれば御の字だ。赤星は昨季、1勝7敗だった。これは肝心の場面でポカをするからだ。
打者と違って投手は次から次へと新戦力が出てくる。菅野の抜けた穴を投手陣全体でカバーできるとみている。
浅野に一言「打撃フォームが硬い」
心配なのは攻撃陣だ。昨季のチーム得点がリーグ4位の462。タイムリータイムリーで畳みかけるチームではない。本塁打頼みだ。その本塁打数も23年から半減した。
今季も不動の4番・岡本和真の活躍に懸かっている。その岡本をサポートするのが新外国人のトレイ・キャベッジ外野手だ。打線強化の大きなカギを握る。
昨季は救世主の働きをしたエリエ・ヘルナンデスが今年もやってくれると期待するが、キャベッジが5番で機能することができるかどうか。とにかく、新外国人選手だけは本番に入ってみないことには分からない。
丸佳浩が右太もも裏を痛めて離脱した。これは痛い。それほど長い離脱にはならないと思うが、「1番・中堅」で開幕スタメンの予定だった。何度か言っているが、打線は1番と4番を固定できればやり繰りができる。
岡本を左翼に回し、一塁には大城卓三だろう。ここにきて成長の兆しが見える中山礼都を起用する案もあるようだ。
中山も悪くはないけど長打力を期待できない。ヘッドが出てこないタイプだ。相手チームは中山より大城が怖いはずだ。相手の観点に立って用兵を考えることも必要だ。
捕手は甲斐をメインに岸田行倫と二人でいける。開幕戦は甲斐だろう。まずはお手並み拝見だ。
外野ではオコエ瑠偉、若林楽人、浅野翔吾らが控えている。内野では秋広優人もいる。彼らの出番は増えると思う。
浅野に言いたい。打撃フォームが硬い。力んでいる。もっとリラックスして自然体で立った方がいい。バットを寝かせる。これだけでもいままでとは違ってくると思うのだが。
いずれにせよ、巨人は近年になく戦力が充実している。開幕が楽しみだ。
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