「クラブを訪れた高野さんについて、“私にガチ恋の人”と」 最上あいさんの金銭トラブルの原点について知人が明かす
トラブルの原点
【全2回(前編/後編)の前編】
東京・高田馬場の路上で発生した刺殺事件。22歳の若さで凶刃に倒れたのは、動画配信の世界では「最上あい」の名で知られた女性だった。容疑者から250万円もの借金をしていた彼女が、最悪の悲劇に至ったトラブルの原点は、故郷でのクラブ勤務時代にあった。
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【写真を見る】満面の笑顔を見せる最上あいさん 事件前日の様子
「おい、何やってんだよ」と叫ぶ、目撃者とおぼしき男性の声。画面のコメント欄には〈うそだろ〉〈早く救急車呼んで〉と、狼狽した視聴者の言葉が続けざまに表示される――。
新宿区高田馬場の路上に、女性の悲鳴が響き渡ったのは3月11日、午前10時前のこと。栃木県在住の高野健一容疑者(42)が、最上あい(22)=本名・佐藤愛里=さんを襲撃、刺殺した。凶器はサバイバルナイフ。最上さんには30カ所以上の傷があったという。高野容疑者はその場で逮捕された。
社会部デスクによれば、
「最上さんは当時、動画をライブ配信中でした。容疑者はその動画から最上さんの居場所をつきとめ、凶行に及んだとみられます」
この事件には、多くの“目撃者”がいた。
「事件発生時、最上さんの動画を100人ほどが視聴していました。突然カメラが大きくぶれて、空が映ったり、画面が暗転して助けを求める声が聞こえ、流血する最上さんの姿も映り込んだ。音声だけですが、駆け付けた警官と容疑者のやりとりも配信されていました。異常事態が起きたことを知った人たちが集まり、ピーク時の視聴者数は6000人にも上りました」(同)
「フォロワーは2600人ほどだが、グレードは最高位」
最上さんはこの日、動画配信サービス「ふわっち」で、〈山手線徒歩一周〉なる企画に挑戦中だった。そのふわっちについて、若干の説明が必要だろう。
分かりやすく言えば、誰でも動画の生配信ができるサービスのことで、配信者を“ライバー”と呼ぶ。
「最上さんのフォロワー数は2600人ほどで、配信者全体で見れば“中の下”ぐらいでした」
とは、事件の前日、最上さんと“コラボ”していたふわっち配信者のまさやん氏である。
「フォロワー自体は決して多くありませんが、それでも彼女のグレードは10段階のうち最高位でした」(同)
このグレードを左右するのが、動画配信界でふわっちが先鞭(せんべん)をつけたという“投げ銭”システム、すなわち課金だ。投げ銭はアプリ内の「アイテム」を介して行われる。アイテムは数十円単位から購入可能だ。
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