「本当の実力者は社長ではなく、他にいるのでは…」 日産トップ交代劇のウラに“社外取締役”の存在

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車好きの明るいキャラ

 3月11日、日産自動車は内田誠社長(58)の退任と、新社長の就任を発表した。約800億円の今期最終赤字を作ったことと、ホンダとの経営統合案が頓挫した責任を内田氏が取らされた格好だ。11日にオンラインで開催された社長交代の会見でも、内田氏は、

「私に対する経営責任を問う声が従業員からも出てくるようになった」

 と、追い詰められていたことを明らかにしている。

 新社長に就任するのはチーフプランニングオフィサーを務めるイヴァン・エスピノーサ氏(46)。日産によると、メキシコ出身で2003年にメキシコ日産に入社。タイやASEAN地域を担当し、18年に常務執行役員、主にグローバル商品企画を管掌してきた。車好きの明るいキャラだというが、“誰それ?”との声も。そもそもポスト内田とみられてきた人物なのか。

通訳が付きっきり

 同社には12人の取締役と5人の執行役がいる。さらに「エグゼクティブ・コミッティ」が11人。その中に名を連ねているのがエスピノーサ氏だ。

「執行役とは実際の経営を担うメンバーのことです。エグゼクティブ・コミッティは、執行役を含めて重要部門を担当する役員たち。エスピノーサ氏はその一人ということです」(日産の広報担当者)

 気になるのは、記者会見で最初から最後まで通訳が付いていたことだ。すでにニュースになっている通り、ホンダとの経営統合案が再浮上してきた場合、シビアで細かいやりとりも予想されるはずだが、

「たしかにエスピノーサ氏は日本語が上手ではありませんが、日産自動車は公用語が英語なので経営にはまったく支障はありません」(同)

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