「一度は5千万円取り戻した」 山上被告の伯父が明かしていた統一教会との金銭トラブルと“凄絶ネグレクト”【統一教会に解散命令】
自衛隊任期中の2005年に自殺未遂
母が破産した年、伯父から経済的支援を受け、専門学校を出た徹也は任期自衛官として海上自衛隊に入隊する。しかし、ここでも“事件”は起きた。
「任期中の05年に自殺未遂を起こしているのです。一命は取り留めたものの、防衛庁が運営する自衛隊病院に入院しました。自殺を図ったきっかけは統一教会だった。母親のことで相当悩んでおり、結局、このことがきっかけで退官してしまうのです」(防衛省関係者)
退官後は、測量会社や派遣社員としてリフト作業に従事するなど職を転々。その間、徹也と親族間の交流は少なからずあったようだが、さらなる家族の断絶を招いたのが兄の死だった。今から7年ほど前、病を苦に自殺してしまうのだ。まさに不幸の連鎖である。
山上家の親族が重い口を開く。
「葬儀の時、てっちゃんは“何で兄ちゃん死んだんや”“アホやなあ、生きてたらええことあるのに”と言っていたので、この子は大丈夫やと思ったんです。だけど、寡黙だったのがその後ますます話さなくなり、飲みにでも誘おうと思い電話しても出てくれない。ここ数年、彼は妹とも必要最小限のことしか連絡していなかったようです」
この間、徹也が胸の内でたぎらせていたのは、統一教会、そして安倍元総理への憎しみだった。
お金を取り返しても再度寄付してしまう母
伯父が再び語る。
「そりゃあ、統一教会憎しになりますよ。(寄付として家から)持って行かれてしまったのが、1億数千万円はある。私はね、(徹也を含む)3人の甥と姪の依頼でそのうちの5千万円を統一教会と交渉して09年に取り返したんですよ。訴訟みたいなとろい手段ではなくて、直接ね。しかも、教会との間で交わした和解書もあります。でも、取り返した金を母親に戻すと、また、そのまま寄付してしまうんです」
今回、凶行に及んだ徹也の思いをこう代弁する。
「(徹也は)生活だけではなくて、命まで奪われかけた。普通に見たら、母が統一教会に納めた金が安倍に流れていると、そうなりますわな。生活が苦しいときに私が母親に送っていた生活資金だって全部、教会に流れている。統一教会の言っていることなんて全部でたらめですからね。全部ね」
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