「一度は5千万円取り戻した」 山上被告の伯父が明かしていた統一教会との金銭トラブルと“凄絶ネグレクト”【統一教会に解散命令】

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 東京地裁は25日、宗教法人としての世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対して解散命令を下した。一方、教団側は地裁の決定を不服として即時抗告する方針を明らかにし、徹底抗戦の構えを見せている。だが、宗教法人として解散したとしても、関連団体などは存在しており、形を変えてこれまでの教団活動が続いていくという問題も指摘されている。今後、統一教会、そして信者はどこへ向かうのか――。

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 統一教会問題の発端となったのは、山上徹也被告(44)による安倍晋三元首相銃撃事件である。凶弾が放たれるまでには、紆余曲折の不幸の連鎖があった。最初の悲劇は山上被告の母がある団体にハマり、その後ノイローゼとなった父が自殺したことだった――。

前編【山上徹也容疑者、父の自殺の真相 母がハマった“もう一つの怪しい団体”と凄絶ネグレクト】では、母がハマっていた“もう一つの団体”と父の自殺について報じたが、後編では山上容疑者の伯父の証言をもとに、山上家が統一教会と抱えていた金銭トラブルに迫っている。

(以下、「週刊新潮」2022年7月21日号掲載記事をもとに、加筆・修正しました。日付や年齢、肩書などは当時のまま)

「徹也の兄は小児がんを患っていて、手術もしています。片目も失明しており、普段の生活にも苦労していました」

 と明かすのは一家の面倒を見てきた弁護士資格を持つ父の兄、すなわち徹也の伯父にあたる人物である。

「(徹也の)父が亡くなり、兄も病気でした。そうしたことがきっかけになり、父が亡くなってずいぶん経ってから、母は統一教会に入信したんですわ」

 彼女は熱心な信者となり、度々、子供を置いて、長期にわたり渡韓するほどだったと続ける。

「子供たちはその間、食べるもんがなかったんですよ。だって、母親が日本におらんかったからね。自分は韓国に行き、ずっと放っておいた。ネグレクトどころではない、もっとひどい状態です。兄は病気で自分で食事を作ることもできない。その兄が電話をかけてきて、“食べるものがない”と。お金を持って行ってあげたりしていました。すると、冷蔵庫の中には食料がまるでないんですわ……」

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