新婚旅行でも“拒否”した妻、「せめて2カ月に1回は…」 自信喪失の42歳夫が下した決断は

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【前後編の前編/後編を読む】レス妻に当てつけるようにSM不倫 「我ながらクズ」な42歳夫が戸惑う人生の急転回

 結婚相手になにを求めるかと問われたとき、一般的には「性的な相性」は後回しにされることが多い。性的な相性を挙げるのが恥ずかしいからなのか、結婚という現実生活においては、性格や経済力に比重がかかると思っているからなのかはわからないが。

「僕自身、彼女がセックスそのものに前向きではないのはわかっていたんですけどね」

 松永優輔さん(42歳・仮名=以下同)はそう言った。20代後半のころ仕事関係で知り合った2歳年上の玖美さんは不思議な女性だった。仕事で顔を合わせることは多かったが、つきあうことになってからもふたりきりでデートするのは2、3ヶ月に1度程度だった。

「彼女はひとりでいるのが好きで出不精だと言っていました。たとえ友だちと約束していても急に当日、行きたくなくなってしまう。そんな自分の性格をもてあましているようにも見えた」

 優輔さんは友人も多く、仕事も楽しんで精力的に取り組むタイプ。玖美さんは彼がそれまで出会ったことのない女性だったのかもしれない。

「2年ほどつきあっている間も、性的な関係は少なかったですね。それでもなんとなくつきあいが続いてしまった。彼女とよりつながりたいと思ってオンラインゲームを教えたら、ものすごくはまって……。結局、オンラインゲームで毎晩会ってはいました」

「単に穴を貸すだけという気分になるけど」

 30歳になるのを機に結婚の話をしてみた。すると彼女は了解してくれた。

「自分勝手なつきあい方をしていたのはわかってる。そういうのを許してくれた唯一の男性があなただったと彼女は言いました。申し訳ないと思っているとも言っていた。彼女は自分のことをちゃんとわかっているわけだし、結婚して環境が変われば少しは変わっていくかもしれない……そう思った僕が甘かった(笑)」

 新婚旅行でヨーロッパへ行ったのだが、1週間の旅行中、彼女はずっとセックスを拒否しつづけた。新婚旅行はせめてもうちょっとロマンティックに過ごしたいと思っていた優輔さんだが、彼女は頑なに避け続けた。求める彼に向かって、「単に穴を貸すだけという気分になるけど、それでもいい?」と言い放った。

「そこまで言われたら、さすがにその気をなくしました。新婚旅行から帰って、日常生活が始まっても、そんな感じでしたね。その後、いろいろ話し合いはしたんです。僕が言ったのは、『このままレス状態が続いて、40歳くらいになってから子どもがほしい、いきなり不妊治療を始めるというようなことはしたくない』とか、『レスというのは肉体の問題だけじゃない。受け入れてもらえないわけだから心もさみしいし悲しい。そこから結婚生活への不満がたまっていくと思う』とか。それで、一応、ルールを決めたんです。2ヶ月に1回くらいはしようと。彼女も了解したんですけどね」

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