村上宗隆が「上半身のコンディション不良」と濁されるウラ事情とは? 最終年に暗雲…吉田正尚や鈴木誠也との“決定的な相違点”

スポーツ 野球

  • ブックマーク

早期のお墨付き

「早い段階で球団のお墨付きを得て、今オフのメジャー移籍が確実視されてきただけに、メジャーの各球団は村上の調査に十分な時間をかけることができました。現状の能力を、今のメジャーの野球に当てはめれば、どの程度の成績を残せるかは十分にシミュレーション済みで、最近では鈴木(誠也外野手=カブス)や吉田(正尚外野手=レッドソックス)をはじめ(これまでメジャーに移籍した)野手とはやや異なる状況と言えます。無理をして今季、力を示そうとする必要はないとみています」

 とはいえ、メジャーでの日本選手の評価は、投手に比べると、野手はいまだに高いとは言えない。日本でトップクラスの先発投手には実績、年齢を軸に一定の相場が形成されているものの、野手は個別要因に左右されるケースもある。

「野手は評価基準が完全に定まっていないので、どうしても(条件面は)振れ幅が大きくなります。そんな中で故障を抱えているとなると、交渉では不利に働くことになります。今回の(故障の)発表方法には情報のコントロールという意味で、村上の代理人サイドの思惑が感じられました」(同代理人)

買いたたかれたマエケン

 過去、日本選手が買いたたかれたような契約で思い起こされるのは、15年オフに広島からドジャースにポスティング移籍した前田健太投手(タイガース)だ。当時、沢村賞と最多勝を2度獲得した日本球界ナンバーワン投手として海を渡ろうとしたのだが、ドジャースとの契約前の身体検査で右肩、肘に将来的な故障のリスクがあるとされた。その結果、確実に保証される条件は8年契約ながら総額2500万ドル(約30億円)に抑制され、活躍した分だけ手にする出来高を最大8120万ドル(約97億円)と厚く設定される異例の契約を結ぶことを余儀なくされた。

「結局、マエケンはドジャースで大きな故障なく先発、リリーフとフル回転したため、結果的には格安の契約になりました。その後、トレード移籍したツインズで(21年に)トミー・ジョン手術を受けることになりはしましたが、果たして本当にドジャースの身体検査時の結果は契約が不利になるほど深刻なものだったのか……。今とはなっては疑わしいとされています」

 前出の代理人はこのように述懐した上で、村上サイドが契約時に値踏みされないよう体調面の公表に慎重になるのも仕方ないのだという。

次ページ:長期離脱の可能性

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。