マスターズ初優勝に期待十分の「マキロイ」 謙虚な強者のもとへUberが「14万円で緊急輸送」したものとは
マキロイ「これまでで最も緊張」
マキロイはプレーヤーズ選手権の2019年大会の覇者でもあり、すでにTPCソーグラスの戦い方、勝ち方を知っていたと言えなくはない。だが、そんな彼でさえ、優勝賞金450万ドル(約6.7億円)とビッグタイトルをかけて戦うプレーオフの前夜となれば、やはり緊張していた様子だ。
「『プラダを着た悪魔』という映画を少し観てから寝たけど、夜中の3時ごろ目が覚めて、そこから先は眠れなくなった」
いざ月曜日の朝、ソーグラスの16番ティに立ったマキロイは「これまでで最も緊張していた」。その緊張を、マキロイはどうやって吹き飛ばし、克服することができたのか。はっきり言えることは「実績に裏打ちされた信頼、自信」が彼のメンタル面を支えたという事実だ。
この大会の前週、マキロイは同じフロリダ州内のオーランドで開催されたアーノルド・パーマー招待に出場。その際、ドライバーやフェアウェイウッドを、ここ2年ほど愛用していたテーラーメイドのQi10から新型のQi35に変えるなど、ゴルフバッグの中身を大幅に入れ替えていた。
14万円でUberが緊急輸送
だが、なかなか好感触は得られず、3日目の夜、ついにマキロイは「これまでのクラブに戻そう」と決意した。
愛用してきた「これまでのクラブ」は、同じフロリダ州内とはいえ、オーランドからは車で3時間ほど南下したジュピターの自宅に保管されていた。そこでマキロイはUberに緊急輸送を依頼。土曜日の夜9時すぎ、「これまでのクラブ」は無事にオーランドの宿舎に届けられたそうだ。
マキロイのマネージャーによると、Uberには「運賃665ドルとチップ330ドル、合計995ドル(約14万円)を支払った」。
そうまでしても、このタイミングで信頼できるクラブを取り戻しておいたことが、翌週のプレーヤーズ選手権で役立ち、勝利に結びついたと言えそうである。
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