マスターズ初優勝に期待十分の「マキロイ」 謙虚な強者のもとへUberが「14万円で緊急輸送」したものとは
「誰も僕が勝つことを望んではいない」
PGAツアーのフラッグシップ大会で、「第5のメジャー」と呼ばれるプレーヤーズ選手権が、3月13日から16日、米フロリダ州ポンテベドラビーチのTPCソーグラスで開催された。だが、悪天候による中断の影響で、勝敗の決着は月曜日に持ち越された。
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大会史上8度目、試合会場がソーグラスになってからは5度目の「マンデー・フィニッシュ」。とはいえ、月曜日に持ち越されたのは、4日間72ホールを通算12アンダーの首位タイで終えたローリー・マキロイとJ.J.スポーンの2人によるプレーオフだった。
この大会のプレーオフは16番、17番、18番の上がり3ホールをプレーして、その通算スコアで競い合う独自の方式。スーパースターのマキロイを相手に、その3ホール・プレーオフで挑むスポーンは、日曜日の夜にこんなことを言った。
「誰も僕が勝つことを望んではいない」
強者マキロイ vs. 緊張気味のスポーン
マキロイは北アイルランド出身の35歳で世界ランキング2位。メジャー4勝を含む通算27勝を挙げてきた強者だ。
一方のスポーンは米国出身の34歳。2012年にプロ転向し、2017年からPGAツアーで戦い始めたが、2022年にバレロ・テキサス・オープンで挙げた初優勝がキャリアで唯一の勝利。世界ランキング57位でこの大会に臨んでいたが、キャリア初のプレーオフを控え、すでに緊張気味だった。
そんな2人の対比を見れば、「みんながマキロイの優勝を期待している」ことを示唆したスポーンの言葉は、ある意味、その通りと思えたが、それでもスポーンは「僕は僕が勝つことを信じる」と気丈に語っていた。
そして月曜日。3ホールの戦いを制したのは、やっぱりマキロイだった。
とはいえ、たやすく勝てたわけでは決してなく、マキロイ勝利の背後には、さまざまなストーリーが隠されていた。
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