エース不在の「健大高崎」がセンバツ連覇へ好発進! 選手たちへの取材で分かった「強敵・明徳義塾」撃破の“勝因”とは

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 3月18日に開幕した第97回選抜高校野球。第1日の第3試合は、前年度優勝の健大高崎(群馬)と43回目の甲子園出場となる明徳義塾(高知)の対戦という1回戦屈指の好カードとなった。【西尾典文/野球ライター】

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エースがわき腹を負傷するアクシデント

 試合は4回、健大高崎が1番の石田雄星(2年)のヒットを足掛かりにワンアウト二・三塁のチャンスを作り、4番の小堀弘晴(3年)のショートゴロの間に1点を先制。しかし、明徳義塾は5回に3番の藤森海斗(3年)がライトオーバーのタイムリースリーベースを放って同点に追いつく。

 その後は、明徳義塾の池崎安侍朗(3年)、健大高崎の下重賢慎(3年)の両先発左腕が踏ん張り1対1のまま延長タイブレークに突入した。10回表に健大高崎は、栗原朋希(3年)のタイムリーツーベースと池崎の暴投で2点を勝ち越すと、その裏は下重が0点に抑え、3対1で勝利をおさめた。

 優勝候補の呼び声高い健大高崎だが、決して万全の勝利だったわけではない。

 大会直前の練習試合ではプロ注目のエース、石垣元気(3年)がわき腹を負傷するというアクシデントに見舞われていたのだ。

 昨年背番号1を背負い、石垣と二枚看板を形成した佐藤龍月(3年)も、昨夏に左肘のトミー・ジョン手術を受けており、今大会では代打要員でのベンチ入りとなっている。ただ、そんな状況でも、連覇を狙えるだけのチームとしてのポテンシャルを見せたことは確かだ。

 守備面で大きいのは、4番も任せられている正捕手の小堀の存在だ。旧チームでは、箱山遥人(現・トヨタ自動車)が不動の正捕手だったため、昨年の甲子園でも出場はなかったが、能力の高さは間違いなく、高校生でトップクラスである。

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