6年で東大合格者85人→52人 女子最難関「桜蔭」が下落トレンド 東大二次試験が“易化”で他校にチャンス広がる
ザワつく受験産業界
毎年、大量の東大合格者を輩出し国内最強女子校として知られる桜蔭(おういん)中高校(東京・文京区)。ただ、今年は「“異変”が起きた」「ついに桜蔭離れか」など受験産業界がザワついている。昨年の東大合格者数は63人で全国7位だったが、今年は52人と減少。最難関とされる東大理科三類では昨年の12人から今年は7人とほぼ半減したのだ(※数字は速報値による)。
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中高受験に詳しい教育ライターがこう指摘する。
「桜蔭と言えば私立女子中高一貫校の最難関として知られています。東京都文京区にある東大本郷キャンパスまで徒歩10分ほどの距離にあり、東大合格者数は全国の女子校の首位を独走している屈指の名門です。中学受験をテーマにしたコミック『二月の勝者-絶対合格の教室-』では、桜花ゼミナール吉祥寺校Ω(オメガ)クラスの女子トップに君臨する前田花恋が、2月1日に女子最難関の桜蔭中に合格する様子が描かれています」
今年の女子高東大合格者数ランキングを見ると1位桜蔭(52人)、2位洗足学園(28人)、3位豊島岡女子学園(19人)、4位双葉(15人)という結果だった。昨年は1位桜蔭(63人)、2位豊島岡女子学園(26人)、同女子学院(同)、4位洗足学園(15人)。洗足学園が大きく躍進する一方、桜蔭は失速してしまった(※女子学院の2025年の合格実績は現時点で未公表)。
確かに東大入試において、桜蔭は全国女子校の頂点とも呼べる実績を維持している。ただ、桜蔭の東大合格者数推移を見ると、20年(85人)、21年(71人)、22年(77人)、23年(72人)、24年(63人)、25年(52人)とダウントレンドを描いているようにも見える。
大手予備校関係者がこう話す。
「実は受験業界では“桜蔭離れ”という言葉が囁かれています。中学受験生が女子校を嫌って、男女共学校を第一志望にする、というものです。例えば共学の渋谷教育学園渋谷の東大合格者数は2022年が38人、23年が40人、24年が43人、25年が50人と飛躍を遂げています。女性の社会進出が重視されている昨今、共学の方がコミュニケーション能力を高められる、と考える保護者も多いと聞きます」
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