「ドライアイで“瞬間的な失明”」「スマホ老眼で近くのものが見えないように」 スマホの健康被害について専門家に聞いた

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「青魚やマグロを摂取するように」

 しかも、このような症状を招くドライアイは、齢(よわい)を重ねるほど起こりやすくなるから厄介なのである。

 前出の平松副院長は、

「若い方でもドライアイの症状になる方はいますが、やはり高齢の方ほど目が乾燥しやすい。これは肌などと同じです。涙は主に水と油が混じり合ってできているのですが、高齢者は体内の水分量も油分も乏しくなる。日常の食生活で青魚やマグロなどに含まれる『オメガ3系脂肪酸』など、質のいい油を摂取するように心がけましょう」

 最も有効な対策はスマホの画面から目を離すこと。30センチほど間隔を空けるのが理想だが、画面を見ない時間を作ることも習慣付けたい。米国の学会では「20-20-20の法則」と言って、20分に1回は、20秒間、20フィート(6メートル)以上遠くを見よとの方法が推奨されている。

 先の川本院長は、こんな対策を教えてくれた。

「目を温めてあげることも大事です。パルミングという方法なのですが、まず左右の手のひらをこすり合わせて、摩擦熱で少し温めます。その手のひらで目を覆い休ませる。覆う時間は、ちょっと気持ちよくなったなと感じられれば、3秒でも10秒でもいいと思います」

 後編【「最近は60代や70代の方も“物忘れ”で来院」「スマホ依存で本物の認知症に」 専門家が警鐘を鳴らす「スマホ健康被害」】では、目以外の場所に起こる「スマホ健康被害」について紹介する。

週刊新潮 2025年3月20日号掲載

特集「60~69歳の保有率は今や86% 60歳から学ぶ『スマホ』健康被害」より

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