【べらぼう】小芝風花も演じた“花魁”が目の前に! かつての吉原の地で「花魁道中」を“完全再現”【写真30枚】
同じNHKの連続ドラマでも、“史上最低”といった声が目立つ朝ドラ「おむすび」とは対照的に、賛否ありつつも高い評価を獲得している大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。吉原で生まれ、吉原の復活を願う蔦屋重三郎(横浜流星・28)の奮闘ぶりが描かれるが、劇中でひときわ強い存在感を放っているのが、花の井改め花魁「瀬川」を演じる小芝風花(27)だろう。そんな彼女の生きた世界を肌で感じられるイベントが、東京・台東区で開催された。
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23キロの衣装に身を包んで
2月23日、東京・台東区の山谷堀広場にて開催の「奥浅草伝統まつり」で行われた「江戸吉原おいらん道中」。花魁を演じたのは、元宝塚歌劇団の滝澤あやめさんだ。
元宝塚といえば、「べらぼう」で花魁「朝顔」を演じた愛希れいか(33)の体当たり演技が光っていたが、滝澤さんは、華やかな衣装で怪しく練り歩く姿を披露。重量約23キロの衣装と高下駄でのパフォーマンスに向け、約8カ月間の練習を重ねて臨んだという。
吉原の花魁がなじみ客の待つ引手茶屋に出向く「花魁道中」。その歩き方は独特で、三本歯の高下駄を履いて爪先を外に向け、八の字を描くようにゆっくりと進んでゆく。これを「外八文字(そとはちもんじ)」と言うが、何とも艶っぽい所作である。
吉原から生まれた華やかな江戸文化
蔦屋重三郎が門前に「耕書堂」を構えた吉原(新吉原)は、1657年(明暦3)から1958年(昭和33)までの約300年間、江戸幕府と日本政府が公認した遊郭街だった。
敷地約2万坪(東京ドームの約1.4個分)の廓内に、最盛期には数千人もの女郎たちがいたとされ、その中で最高ランクに位置したのが「花魁」と呼ばれる別格の女郎たち。小芝演じた「瀬川」もこれにあたり、容姿端麗、芸事にも教養にも優れ、なじみの客になるにも莫大(ばくだい)な資金が必要だったとか。当時最先端をゆく華やかな江戸文化は、花魁たちを抱えた吉原から生まれたともいわれている。
そんな吉原があった場所が、近年「奥浅草」と呼ばれる台東区千束4丁目一帯だ。今年は大河ドラマの影響で大いに盛り上がりを見せており、先だっては地元有志の尽力により「奥浅草伝統まつり」のイベントも開催された。
また、蔦屋重三郎ゆかりの「耕書堂」を模した施設も1年限定でオープン。吉原に特化した観光案内や土産物の販売などを行っている。
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