「ドジャースがもくろむ大谷の使い方は……」 投手復帰の時期、来シーズンの展望について専門家が徹底解説

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「開幕から投げ続ければ、5月くらいには赤信号が」

 不穏なことに、昨今のドジャースはケガ人続出で苦しむことが多いとして、福島氏はこうも言う。

「今年の開幕投手に指名された山本でさえ、昨シーズンは6月に右肩の腱板を損傷して3カ月の戦線離脱を余儀なくされました。オリックス時代はシーズンをフル稼働する大エースでしたので、そうした活躍がドジャースからは求められていると思います」

 となれば、いまだ移籍から日が浅い佐々木は大丈夫なのか。周知の通り、彼はロッテ時代から幾多のケガに悩まされて、スタミナ不足が懸念されている。

 再び友成氏に聞くと、

「ロッテ時代の佐々木は、最高でも年間20試合、129.1回しか投げたことがありません。片やメジャーの投手は通常5人ローテで32試合投げるのがノルマですからね。開幕からローテーションに入って投げ続ければ、5月くらいには赤信号がともるでしょう。ドジャースとしてはロッテ時代のイニング数を超えない程度を上限に使っていくと思います」

「順当にいければ、地区優勝まではトントン拍子」

 現地在住のスポーツジャーナリストいわく、

「昨年のドジャースも、ワールドシリーズでまともに活躍できた先発投手は2人だけでした。そして大谷以外にも、クレイトン・カーショーなど故障から復帰を目指している最中の投手が結構います。今シーズンは、そういった選手たちが無事に戦線復帰できるかが課題ですね」

 ドジャースは大型補強で乗り切るつもりのようだ。

「編成トップのアンドリュー・フリードマン部長が、先発ピッチャーを重点的に補強したことに加えて、1番から9番まで打てる打者をそろえました。しかもライバルとなるはずだったパドレスでシーズンオフにフロントの内紛が起きて、大型補強ができずに終わりました。順当にいければ、地区優勝まではトントン拍子に行く可能性が高いと思います」(同)

 悲願のワールドシリーズ連覇は、補強された投手陣がけが無く活躍できるかにかかってきそう。昨年同様、戦線離脱者多数となった時にチームを救うのが、二刀流復活を遂げた大谷となるのか。

 前編【「MLBは100億円は下らない収入を得たと推定」 各国で公式戦を断念したMLB…「大谷に熱狂している日本には市場がある」】では、今回のドジャース来日の莫大な経済効果について報じている。

週刊新潮 2025年3月27日号掲載

特集「大谷翔平』凱旋 熱狂の舞台裏」より

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