「ドジャースがもくろむ大谷の使い方は……」 投手復帰の時期、来シーズンの展望について専門家が徹底解説
「投手・大谷」のお披露目はいつになる?
【前後編の後編/前編からの続き】
日本でのプレーは実に2年ぶり。まさに凱旋(がいせん)と呼ぶにふさわしい大谷翔平(30)のMLB開幕戦が終わりを迎えた。新聞テレビは大谷一色だが、その熱狂の舞台裏をのぞいてみると……。報道規制の理由、二刀流解禁やドジャース連覇の可能性までを詳報する。
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【実際の写真】ドジャースキャップ姿の美女に、「チケットを売って下さい」の紙を掲げる人も… 東京ドームに集結した熱いサポーターたち
前編【「MLBは100億円は下らない収入を得たと推定」 各国で公式戦を断念したMLB…「大谷に熱狂している日本には市場がある」】では、今回のドジャース来日の莫大(ばくだい)な経済効果について報じた。
今後はテレビ中継などで声援を送ることになる多くの日本人にとって、気になるのは大谷の二刀流解禁の行方だろう。
東京では見られなかった「投手大谷」のお披露目はいつなのか。
「巨人戦でホームランを打ったように、基本的に球の見極めはできていますしバットも振れていた。打者としての調子は悪くありませんが、投手としては少し不安があります」
と指摘するのは、メジャーリーグ評論家の福島良一氏だ。
「2023年9月、大谷は2度目となる肘の靱帯を再建する手術を受けています。彼は18年10月に1度目の手術を経験していますが、投手に復帰できたのは20年になってから。しかも、そのシーズンはコントロールが安定せず思うような結果が出なかった。結局2試合しか投げられませんでした。今回は二刀流を封印してから1年半ものブランクがあるわけで、投球感覚も失われている。いきなり結果を残すのは難しいのではないでしょうか」
実際、今年2月に大谷は投球練習を中止。キャンプでは打者としての調整に専念していた。
「ドジャースがもくろむ大谷の使い方は……」
このままでは当初予定されていた5月の二刀流復活は厳しく、6月以降にずれ込むのではないか、という観測がもっぱらだが、ドジャースの大勢には影響しないという。
メジャーリーグ研究家の友成那智氏が解説すると、
「ドジャースがもくろむ大谷の使い方はハッキリしている。それはワールドシリーズに勝つためのキーマンにするということです。ブランドン・ゴームスGMが“大谷はシーズン終盤とポストシーズンにピークを持っていく”と明言しています。チーム内でも大谷の投手としての実力はエース級ですが、開幕直後から投げ続けると疲労がたまって故障のリスクがある。事実、エンジェルス時代はシーズン頭から酷使されて、毎年9月ごろには投球と打撃の双方が悪くなっていた。だから大谷自身もシーズン終盤にピークを持っていくつもりでしょう」
前出の福島氏に聞いても、
「大谷の目標は二刀流でのワールドシリーズ連覇でしょうから、照準は10月のポストシーズンにどれだけ投手としての力を発揮できるか。実力は申し分ないので、後はけがをしないかだけが懸念材料ですね」
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